『台風が苦手』な猫の行動5つ!飼い主がしてあげられる心のケア方法も

『台風が苦手』な猫の行動5つ!飼い主がしてあげられる心のケア方法も

猫は警戒心が強いため、臆病な子が多いです。また人よりも感度や精度の高い聴覚を持っていて、聞こえる音の範囲も広く、音に対して敏感に反応する傾向があります。そのためか、空気を揺るがすような大きな音が鳴り響く台風を苦手とする猫は少なくありません。そんな「台風が苦手」な猫がよく見せる行動や、飼い主がしてあげられる心のケア方法をご紹介します。

猫はなぜ台風が苦手なの?

日本を襲う台風

日本の8月から9月にかけては、台風が多くなる季節です。もちろん全く動じない猫もいますが、台風を苦手だと感じている猫も多いです。猫たちは元々外の世界で暮らしていた動物なのに、なぜ台風が苦手なのでしょうか。

動物が生きるためには、きちんと食事にありつけなければなりません。捕食動物である猫にとって、狩りの技術はもちろんですが、獲物を見つける能力もとても大切です。そこで獲物を見つけることに特化して、聴覚や視覚の感度や精度が磨かれていきました。

猫は小さな音を逃さず、あらゆる方向の音も正確に拾います。また人には聞こえない高音も聞き分けられる、幅広い可聴域をカバーしています。そのため、豪雨が窓を叩きつけ、強風が吹きすさび、地響きのように轟く雷鳴は、猫にとって強烈な音に聞こえていることでしょう。

猫の主たる獲物であるネズミなどの小動物は、夜明け前の薄暗がりの時間帯に活動します。そのため、猫は僅かな光を十二分に活用して暗闇でもよく見える視覚を備えています。台風の夜に瞬間的に窓の外に現れる強い稲妻も、猫の目にはとても強烈に映ることでしょう。

猫は名ハンターでありながら、自らも獲物となりうる動物です。自分の身を守るための防衛本能も必要でした。異変を察知すると、本能的に「恐怖」を感じることで、自らの身を守ることにつながるのです。

猫は「音」「光」といった強烈な刺激を受け、本能的に身の危険を感じることから、台風を苦手とするのだと考えられます。なおかつ最近は、気象病といって気圧の変化で体調に影響を受ける動物がいることも分かってきています。台風による急激な気圧の低下で、体調に異変が生じて不安を感じている可能性もあるでしょう。

「台風が苦手」な猫の行動

身を隠しながら飼い主を気にする猫

ではここからは、台風が来た場合に、台風が苦手な猫がする行動について解説します。

1.身を隠す

台風が苦手な猫によく見られる行動が、狭く暗く静かな場所に身を隠すというものです。

ベッドやソファの下、押し入れの奥など、体が入るぎりぎりの狭い場所で、薄暗くて周囲から隠れられるような場所、そして周囲の音があまり聞こえない静かな場所を好んで選びます。

2.落ち着きがなくなる

落ち着きがなくなって、部屋の中や飼い主さんの周囲をウロウロしたり、小さな声で頻繁に鳴くといった行動を取る子もいます。も

しかすると、本当はどこか安全な場所に身を隠したいのに、ふさわしい場所が見つけられずに落ち着けないのかもしれません。

3.小さくなって固まり震える

部屋の隅や飼い主さんの足元などの比較的狭い場所で、小さく丸まって体を固くしながら小刻みに震える子もいます。

4.爪とぎやグルーミングを行う

落ち着きがなくなっている自分を落ち着けようとして、必死に爪とぎをしたり、いつまでもセルフグルーミングをする子もいます。

5.パニック状態になる

軽いパニック状態になる子もいます。その場から逃げ出そうとしてドアをガリガリと削ることもあります。そんなときにたまたまドアや窓が空いていると、パニック状態のまま外に逃げ出してしまい、帰ってこられなくなることもありますので、注意が必要です。

他にも、飼い主さんに対して攻撃的になったり、嘔吐や下痢をしたりといった状態になることもあります。特に攻撃的になる場合は、無理に撫でたり抱いたりしようとすると、飼い主さんがケガをする場合もありますので、落ち着くまでは手を出さずに様子を見ましょう。

台風を怖がる猫に飼い主がしてあげられる心のケア

平静を装いながら猫に寄り添う飼い主

まずは猫を怖がせる「音」や「光」といった刺激を遠ざけて、落ち着かせることが大切です。そのためには、下記の対処が有効です。

  • 雨戸やカーテンを閉めて音や光の刺激を遠ざける
  • その際に逃げ出せないように戸締まりも行う
  • 身を隠せる場所を作ってあげる

飼い主さんも一緒に怖がったりあたふたしてしまうと、愛猫の恐怖心を余計に煽ってしまう可能性があります。猫と一緒にいるときはできるだけ平静を装い、できるだけ普段通りに行動するように心掛けましょう。

飼い主さんのそばを離れない場合は、少しでも落ち着いてもらえるように同じ場所で過ごし、優しく声掛けをしてあげるのもよいでしょう。ただし、あまりにも露骨だと「やっぱりいつもと違う!」と警戒させてしまいますので注意が必要です。

また愛猫の気を逸らせるという意味では、いつも一緒に見ている猫が好むような動画やTV番組を見たりするのもおすすめです(球技の試合、F1レース、猫がたくさん出てくる番組など)。

パニックを起こしたり攻撃的になっている場合は、落ち着くまでは様子を見ることしかできません。ただし毎回このような状態になるようであれば、後日動物病院で相談し、気持ちを落ち着かせる薬を処方してもらうなど、シーズン中は何度も来る可能性のある台風に備えておくことも必要です。

まとめ

窓から雨を見つめる猫

狩りに特化して感度や精度が高まった聴覚や視覚を持っている猫にとって、台風の音や光は強烈で、恐怖心が煽られても何ら不思議はありません。

特に、物心がついた頃から家の中でしか暮らしたことのない猫にとっては、天変地異のように感じているかもしれません。

台風が苦手といっても、猫によって感じ方は異なりますし、その時の状況によっても変わってきます。

安全確保のためには「台風だからこうする」という定型的な行動も必要ですが、心のケアのためには、愛猫の様子にあわせて臨機応変に対処できることも大切です。

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