猫が『鉄分不足』になるとどうなる?3つの症状とすぐに必要な対処とは

猫が『鉄分不足』になるとどうなる?3つの症状とすぐに必要な対処とは

猫にとって、鉄分は重要な栄養素です。不足すると様々な弊害を引き起こすことがあります。そこで今回は、猫が「鉄分不足」になると見られる症状と、すぐに必要な対処について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.病気にかかりやすくなる

体温計を脇に挟んでいる猫

鉄分には、免疫細胞を活発にする働きがあります。鉄分が不足するということは、免疫力の低下につながるのです。免疫力が低下すれば、細菌やウイルスに感染しやすくなり、そのため、病気にかかりやすくなってしまいます。

特に寒い時季は猫風邪にかかりやすく、治りにくい、あるいは治っても再発することがあります。

2.皮膚のトラブルが起きやすくなる

首の後ろを掻く猫

鉄分が不足すると、コラーゲンが生成されにくくなるため、皮膚や血管が弱くなり、皮膚トラブルや内出血を起こしやすくなります。

猫は体を被毛で覆われているのでわかりにくいですが、アザもできやすくなるのです。

さらに、コラーゲンが減少することで、骨折をしやすくなってしまいます。

3.粘膜機能が低下する

口を開ける猫

鉄分が不足すると、粘膜の機能が低下します。そのため口内炎を起こしやすくなったり、胃の粘膜に影響が及ぶことで胃炎を起こしたりするのです。

猫の口内炎は、人間のそれとは異なり、広い範囲に及び、痛みも強いので、ごはんが食べられなくなることがあります。一度かかるとなかなか治りにくいため、注意が必要です。

口臭やよだれが気になる、口の中が赤い、ごはんが食べにくそうなど、猫に口内炎の症状が見られたら動物病院を受診しましょう。

猫の鉄分不足の対処法

肉を食べる猫

猫の食事に総合栄養食を適量与えていれば、栄養が偏るということはほとんどありません。しかし、一般食や手作りごはんの場合は栄養バランスを考えて与えないと、鉄分が不足することがあります。

また、総合栄養食を与えていても、ケガや出産、嘔吐や下痢など別の要因で鉄分を失うこともあります。

成長期や妊娠・授乳期にも鉄分が不足しがちです。成長期の猫に鉄分が不足すると、発育不良を起こすこともあります。母猫の鉄分が不足している場合は、子猫に影響が出てしまうこともあるのです。

なお、鉄分が豊富な食材で猫が食べられるものとして、赤身の肉やレバーがあります。食事にトッピングするなどして、鉄分を補ってあげましょう。ただし必ず加熱し、細かくしてから少量を与えて下さいね。

ほかにも、市販されているおやつやサプリメントでも、鉄分を補えるものがあります。

まとめ

診察台の猫

猫が「鉄分不足」になると、様々な症状が見られます。鉄分が不足している場合は、いつもの食事にプラスして補ってあげましょう。

しかし、鉄分が重要だからといって、摂取し過ぎても弊害が生じてしまいます。

猫の健康に大切なのは、年齢や体調に合った栄養バランスのとれた食事を与えることです。鉄分不足に注意しながら、愛猫の健康に配慮してあげたいですね。

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