猫を『うつ状態』にしてしまう原因4つ 改善するためにするべきこととは

猫を『うつ状態』にしてしまう原因4つ 改善するためにするべきこととは

猫にも「うつ状態」になってしまうことがあることをご存じでしょうか。厳密には人間のそれとは異なりますが、食欲不振や体力減少などのトラブルが発生します。今回は、猫を「うつ状態」にしてしまう原因について解説します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.引っ越しなど環境の変化

引っ越しした猫

猫が「うつ状態」になる原因として多いのが、引っ越しなどによる急激な生活環境の変化です。

猫は変化に対して敏感な動物のため、些細な変化でもストレスを感じてしまうケースは多いです。それが生活環境がガラッと変わる引っ越しともなればなおさら。新しい環境に怯えてしまい、ストレスを抱えた結果、うつ状態となってしまう子もいます。

猫にとって引っ越しは、とても大きなストレスがかかる出来事です。飼い主さんは、くれぐれも引っ越し前後の猫の様子に対して注意する必要があります。

できれば、引っ越し前から猫が好んで使っている猫ベットや猫ハウス、猫トイレなどはそのまま次の引っ越し先に持っていきましょう。

2.多頭飼育

2匹の猫

多頭飼育も、猫がうつ状態になってしまう可能性のある原因のひとつです。

同居するペットの存在が増えることも、猫にとっては大きな変化なので、新入りペットの対面は慎重に行う必要があります。中には性格の相性そのものが合わず、猫のストレスが蓄積していくケースも。

猫の多頭飼育は、なかなか難易度が高い飼い方であり、病気のリスクも高くなります。他ペットとの対面は入念に準備を行ったうえで慎重に行いましょう。

どうしても仲良くなれない場合は、生活環境の住み分けも検討すべきです。

3.生活環境の状態が悪い

不満そうな猫

猫が暮らす生活環境の状態が良くないことも、うつを助長させる要因となりえます。

たとえば、長期間、猫用トイレを清掃していない、猫の食器を洗わず飲み水や時間の経ったフードを交換していない、部屋の埃が多い、生活環境にノミやダニがいる、といった場合が挙げられます。生活環境が不衛生だと、猫もストレスを抱え込んでしまいます。

これらの状態は猫のうつ状態以前の問題でもあります。猫の飼い主としてお世話ができていない状態であるため、早急に改善しましょう。

4.ロス

さみしそうな猫

実は猫にも同居人・同居ペットがいなくなることに対するロスが発生することがあります。いままで一緒に暮らしていた存在が突然いなくなると、生活環境の変化や寂しさからか元気をなくします。

猫のロスは人間が感じるペットロスとは少し違うかもしれません。しかし、変化に戸惑いストレスを感じていることはたしかです。

少しでも猫を慰めるためにも、家庭内でロスが発生したとき残された猫たちにも気を配ってあげてください。

まとめ

元気ない猫

人間のうつも深刻な病気ですが、猫のうつも注意すべきです。

猫がうつ状態になると、目に見えて食欲不振や元気消失が見られるようになります。長ければ数か月以上続くこともあるため、大幅な体力低下が危惧されます。

猫にうつのような精神疾患が疑われる場合は、まず動物病院で全身の検査をし、肉体的な病気がないかを確かめてもらいましょう。その上で、環境の変化や行動などから精神疾患が強く疑われる場合は、環境改善や行動療法、投薬治療が必要となることがあります。

今回の記事を参考に、愛猫がうつ状態になってしまった場合には気を配ってあげてください。

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