1.飼い主さんのそばから離れなくなる
猫は「喜怒哀楽」の「哀」がない動物といわれています。その証拠に、猫は感情によって涙を流すことはなく、猫の涙は体調不良が原因です。
しかし、心を痛めて涙を出す「かなしい」という感情はなくても、孤独感や心細さからくる「さみしい」気持ちはあるようです。
同居猫との仲がよければよかったほど、残された猫の喪失感は大きいもの。仲間の死後、猫は飼い主さんのそばを離れないことがあります。まるで、仲間猫の姿を重ねるように、また不安な気持ちを埋めるように、飼い主さんに寄り添ってくるのです。
2.鳴き声や鳴き方の変化
仲間猫が亡くなった後、それまであまり鳴かなかった猫が、鳴くようになることがあります。猫が鳴くときは、甘えや要求を伝えるとき、発情や威嚇の場面もありますが、不安を感じるときも声を出して鳴きます。
猫は環境の変化に不安をおぼえる動物なので、当たり前のように存在していた仲間猫の姿が見えなくなると、不安になり、鳴きます。鳴き方の例は「ナァーーー」とか「アオーーー」で、声は太く大きめになるでしょう。
3.死んだ仲間猫を探す
猫は仲間猫が死んでしまうと、その姿を探すことがあります。仲間猫がいつも居た場所を確認し、その場を離れなくなったり、家のあちこちに残っている仲間猫のニオイをたどったり。落ち着きがなくなり、部屋中をウロウロ歩き回るしぐさが見られることもあるのです。
当然のように、一緒にいた仲間猫が「もう仲間猫は戻ってこない」と悟っていることがうかがえますね。
4.体調面・精神面の変化
仲間猫の死による変化は、猫の行動以外の面でも見られることがあります。
中でも問題視されているのが食欲不振。仲間の猫が天国に旅立ってから、食事の量が減ってしまい心配をする飼い主さんが多いですね。
また仲間猫のいない空間に不安を覚えるためか、グルーミングが増える場合もあります。ストレスを緩和させて落ち着きたい心理のあらわれですが、過剰なグルーミングでハゲができてしまうことも。仲間ロスから心因性脱毛症につながってしまうこともあることを覚えておきましょう。
まとめ
猫が「仲間の死」を感じた際に見られる異変とペットのペットロスについて解説しました。
今回の異変が「猫が死を理解している」ことの証明にはなりませんが、仲間猫がいなくなったことを理解しているのは確かではないでしょうか。いつも一緒にいた仲間猫の不在を感じ、不安になっていると考えられます。
近年では「ペットのペットロス」や「仲間ロス」との言葉が普及しています。それほど、多頭飼いのご家庭において、同居猫の死後に異変が見られた猫がいるというわけですね。
基本的には時間が解決するのを待つばかりですが、極力刺激を与えないよう、お留守番の時間も長くならないようにしてあげるとよいでしょう。