猫が『唸り声』をあげるタイミング4つ 理由と飼い主ができる対処法も

猫が『唸り声』をあげるタイミング4つ 理由と飼い主ができる対処法も

猫と暮らしていると、突然「唸り声」を耳にする機会があると思います。猫が唸り声をあげるタイミングにはどのようなものがあるのでしょうか。その理由について、対処法と併せて詳しく解説いたします!

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫が「唸り声」をあげるタイミング

爪切りされてにらむ猫

猫と暮らしていると、一度は愛猫の唸り声を聞いたことがあるのではないでしょうか。唸っているとき、猫はどのような気持ちでいるのでしょうか。

そこで今回は、猫が「唸り声」を発するタイミングとその理由を4つ解説いたします。併せて飼い主ができる対処法についても紹介していきます。

1.嫌なことをされた時

「しつこく構われた」「苦手な場所を撫でられた」「爪を切ろうとしている」など、猫にとってとても嫌なことをされる時、唸り声をあげることがあります。ただし、信頼関係がある飼い主さん相手に唸り声をあげるのは、されることがよっぽど嫌な時です。

猫にとって「嫌なこと」とは「自分に危険が及ぶかもしれないこと」なので、「やめて欲しい。それ以上やったら攻撃するぞ。」という警告のために唸るのです。

爪切りのようにやらなければ致し方のないケアの場合は、手短に済ませられるようであれば続行してしまうのも一つの方法かもしれません。ただし、回を重ねるごとに激しく抵抗するようになるのであれば、やり方を変えたりそのケアに慣らすトレーニング(ハズバンダリートレーニング)を行いましょう。

どうしてもやらなければいけないことではない場合は、猫が嫌がっていることをやめてあげましょう。

2.獲物を取られたくない時

食事や遊びの最中にも「ウ〜ッ」という唸り声をあげる猫がいます。これは、「獲物・食べ物を取られてたまるか!」という心理が働いています。自分の食べ物を奪われることは生死にかかわることだからです。

食べてはいけないものを食べようとしているなど、猫にとって危険がある場合以外は、その場を離れて「取り上げないよ」とのメッセージを伝えましょう。

誤飲・誤食のリスクがあるものを口にしている場合でも、無理やり取り上げるのは危険が伴います。他のもので興味を引き付けながら口から離してもらうようにしましょう。

3.猫同士の喧嘩

睨み合う猫

一緒に暮らす猫同士でも、喧嘩をすることがあります。猫の喧嘩では、相手を威嚇するための唸り声がよく聞かれます。

小さな睨み合いや唸り声を発しているだけの場合は、そのまま様子を見守りましょう。ここでどちらかの肩を持つと、今後の関係性に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。

ただし、あまりに激しい喧嘩に発展した場合は仲裁が必要なこともあります。その場合は、ダンボールや下敷きなどの衝立になりそうなものを猫同士の間に挟んだり猫の顔にタオルをかけたりしてお互いが見えないようにしたり、食べ物やおもちゃを投げる、大きな音をたてるなどして気をそらしたりしましょう。

4.体に痛みがある時

怪我や病気などで痛みを抱えている場合、うずくまった状態で唸り声を発します。自分が今弱い状態にあることが分かっていて自分を守るため、または痛い所に触られたくないために「近づくな」と警告しているのです。

体に痛みがある場合は、診察を受ける必要があります。優しく声をかけて近づき、タオルをかぶせてからどこが痛いのか触ったり、タオルでくるんでキャリーに入れて病院に連れて行きましょう。

尿路結石や膵炎などでお腹が痛い場合、どこが痛いのか飼い主さんが触っても分かりにくいでしょう。愛猫があまり動かずにじっとうずくまっていて触ろうとすると唸る場合は、どこか具合が悪い可能性が高いので早めに動物病院を受診しましょう。

尿トラブルが疑われる場合には、トイレをチェックして、尿が出ているかとどのような尿なのかを確認し、様子を見ていないので早急に診察を受けてください。尿がきちんと出ない状態が続くと腎臓がダメージを受けたり尿毒症になったりして命にかかわることになる可能性もあります。

まとめ

威嚇する猫

猫が唸り声をあげるタイミングと、それぞれの対処法について紹介いたしました。

イメージ通りかもしれませんが、猫は嫌なこと・苦痛なことに直面すると唸るということですね。自分を守るための防衛本能によって唸るとも言えます。

構いすぎや触られるのが苦手な部位に触られると唸るのは、そのようなことをしないことで防ぐことができます。猫が嫌がることは必要がなければしないように気をつけましょう。度が過ぎると猫にとって大きなストレスとなってしまいます。

爪切りやブラッシングなどの必要なケアを嫌がって唸る場合には、そのようなケアに慣れさせるトレーニングを行いましょう。

猫同士の喧嘩では、必要以上に関与せず見守ることが大切です。ただし危険だと判断した際は、安全な方法で止めに入ってください。

最後に怪我や病気が疑わしい状況では、早めの通院をおすすめします。具合が悪いのかどうか悩ましい場合は、かかりつけの動物病院に連絡して相談してみるのも良いでしょう。

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