猫に『スイカ』が良いとされる理由4つ 与えるときの注意点も合わせて解説

猫に『スイカ』が良いとされる理由4つ 与えるときの注意点も合わせて解説

暑い季節がやってくると食べたくなる「スイカ」。甘味があり、水分も多く含まれているので、夏バテ対策に好んで食べる方も多いでしょう。実は一緒に暮らす猫にも体に良い効果がたくさんあるのです。ここでは、猫がスイカを食べるメリットや注意したい与え方についてご紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫に「スイカ」が良いとされる理由とは

スイカを食べる猫

猫がスイカを食べると良いのは何故でしょうか。その理由として、主に以下の理由が挙げられます。

1.水分補給で熱中症対策が可能だから

見た目にもみずみずしいスイカは、およそ9割は水分でできています。

もともと水分をとるのが苦手な猫ですが、スイカを食べさせることで水分補給ができ、猫の熱中症を予防する効果があります。

スイカを苦手でなければ、スイカは飲水量が少ない猫に水分補給させるにはぴったりな食べ物です。

2.健康な皮膚や被毛を保つから

スイカに含まれる栄養素で注目したいのは、抗酸化作用がある「ビタミンC」や「リコピン」、「シトルリン」というアミノ酸の一種が豊富に含まれていることです。

これらの栄養素は、猫が摂取すると体の免疫力を上げてくれたり、細胞や血管の健康維持などの効果が期待できます。新陳代謝が良くなることで、猫の体の内側だけでなく、健康な皮膚や美しい被毛の維持にも働きかけてくれるのです。

3.血圧を下げ骨を強くするから

スイカには血流の流れを良くする「マグネシウム」が豊富に含まれていて、動脈を広げ、血圧の上昇や動脈硬化を防いでくれる効果があります。

マグネシウムは、骨形成に必要なカルシウムやリンと同様に、丈夫な歯と骨を作るためにも欠かせない成分です。スイカで不足しているマグネシウムをとると、健康な体をサポートしてくれます。

4.利尿作用で余分な毒素を排出するから

スイカが猫に良いとされる理由には、ミネラルの一種である「カリウム」の利尿作用で体に不要な成分を尿と一緒に排出してくれる効果もあるからです。

猫が適量のカリウムを摂取すると、体の水分量を調節することができ、神経や筋肉を正常に動かすことができます。

猫にスイカを与えるときの注意点は?

スイカを見つめる猫

猫の体にもメリットが多いスイカですが、食べさせる際の注意点もあります。

  • 冷やしすぎない
  • 小さくカットする
  • スイカの種を取り除く
  • スイカの皮は与えない
  • 持病がある猫は控える

スイカは冷やして食べることが一般的ですが、冷たいまま猫に食べさせると、体を冷やしてお腹を壊してしまう恐れがあります。なるべく常温に近い状態で与えるようにしましょう。

また、猫は種や皮を消化しにくい体質のため、猫に食べさせる前に取り除いてあげましょう。

健康な猫がスイカを食べると、体に嬉しい効果はたくさんあるものの、与えすぎてしまうと「マグネシウム」や「カリウム」がうまく排出できずに悪い作用に働いてしまうことがあります。

スイカを与える目安としては、平均的な猫の体重(4~5㎏)なら3cmほどにカットしたものを1〜2個与え、主食との栄養バランスが崩さない程度に留めておくことが重要です。

腎臓機能が低下している猫は、尿と一緒に排出されるはずの余分な成分が出にくく、体内で過剰になる可能性があります。

他にもマグネシウムなど過剰なミネラルが尿石症の原因になったり、糖尿病の猫では糖質過多になったりしてしまいます。

健康に問題がない猫以外は、スイカを積極的に与えないようにしましょう。

まとめ

スイカを食べる猫

甘くてみずみずしいスイカは、猫が食べることで体に必要な栄養分や水分を補給することができます。

人がスイカを食べるときは糖度も重要視しますが、猫は甘味を感じる味覚が発達していません。スイカが好きな猫は、シャリっとした食感や水分が多いところを気に入って食べているのかもしれませんね。

ただし、スイカが大好きな猫でも、腎臓に負担がかかりやすい猫や結石症の猫に与えると、かえって体に負担をかけてしまう恐れがあります。場合によっては、アレルギー症状が出る猫もいるため、初めて食べさせる時は少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。

スイカは猫の健康状態を見ながら、体に見合った適量を与えることが大切です。水分が奪われやすい季節には、愛猫の熱中症対策としてスイカを上手に取り入れていきたいですね。

スポンサーリンク