猫の「長い足裏の毛」を放置した場合のリスク
猫の足裏には「タフト」と呼ばれる毛が生えています。とりわけ長毛種の場合は長く、肉球が覆われてしまうほどフサフサとしています。
ところで、このタフトはカットすべきなのでしょうか?
結論をいうと、『フローリングが生活拠点となっている長毛種の猫の場合は、カットするべき』です。放置してしまうとさまざまなリスクに繋がってしまうのがその理由です。
ここでは、猫の「長い足裏の毛」放置すると起こり得るリスクについて紹介いたします。
1.関節が弱る
ツルツルとしたフローリングと、モフモフのタフトの相性は最悪です。歩行の度に滑ってしまうので、猫の足腰に負荷がかかります。
将来的には関節炎を引き起こしやすくなってしまうでしょう。
2.怪我をしやすくなる
本来は、寒さや冷たい雪から肉球を守るためにある長毛種のタフト。それが、室内では怪我の原因に繋がる恐れがあります。
まずは全力ダッシュをしている時です。子猫や若い猫は活発に走り回ります。その過程でタフトがあると、うまくブレーキが利かず、激しく転倒することがあります。
もうひとつは、高い場所から飛び降りた時です。タフトがあることで着地に失敗する可能性が出てきます。ここでもまた派手に転倒することになるため、大怪我をする恐れがあります。
3.体温調節の妨げになる
猫の身体には汗をかくための汗腺がありません。直接汗をかくできる部位は極わずかで、鼻と肉球のみです。
しかし、せっかく汗をかくことができる肉球でも、豊富なタフトに覆われていては体温調節の妨げになってしまいます。
猫の「長い足裏の毛」の正しいケアとは
前述した内容から、猫の「長い足裏の毛」は定期的にカットしたほうが良いことが分かりますよね。
ここからは、タフトの適切なケア方法を紹介いたします。
ペット用の安全バリカンを使う
自宅でカットをする場合は、ペット用の安全バリカンを使用することをおすすめします。
安全バリカンは切れ味が鋭くないので、誤って肉球を傷つけてしまうというアクシデントを防ぐことができます。
ハサミを使用する
「バリカンでは刈りにくい」という場合は、家庭用のヘアカットハサミを使用すると良いでしょう。特に小さいものがおすすめです。
ハサミでカットする際は、肉球にハサミが当たらないように気をつけましょう。長くて余分な場所はハサミでカットして、バリカンで仕上げるという二刀流も良いでしょう。誤って肉球や皮膚を切らないように気を付けてください。
眠そうなタイミングを狙う
足裏のケアをするタイミングとしては、猫が「眠そうな時」が狙い目です。時間帯でいうならば日中が良いでしょう。猫は明るい時間帯に眠る習性を持っているので、日中は活発度合いが抑えられています。
そして、可能であれば、「2人体制」で行うと良いでしょう。1人は身体の固定、もう1人がカットを担当するといった雰囲気です。
ペットサロンに依頼する
ご家庭でのカットが厳しいと感じたら、「ペットサロンに依頼する」ことも手段の1つです。
猫にとっては慣れない場所で緊張を伴いますが、トリミングのプロが手がけるので素早く終了します。時間がかかって飽きてしまったり、数日に分けて行うなどのストレスがかかりにくくなるでしょう。
尚、足裏カットは動物病院でも引き受けてくれる場合があります。気になる方は、かかりつけの動物病院に問い合わせてみてください。また、病院によってはホームページに記載があるので、チェックしてみると良いでしょう。
まとめ
タフトのカットが必要なケースは主に長毛種の猫で、フローリングが生活拠点になっている場合でした。ちなみに絨毯が敷かれた部屋で生活している場合は、無理にカットしなくても大丈夫です。
ご自宅でカットをする際は、爪切りの時と同様に手短に済ませるか、少しずつ行うようにしましょう。猫は一度でも嫌な思いをすると、その後が大変になってしまいます。
また、必要に応じてペットサロンの力を借りることを検討してみてください。動物病院でも引き受けてくれることがあるので、そちらも合わせてチェックしてみると良いかもしれません。
モフモフで可愛らしい長毛種のタフトですが、室内暮らしでは身に危険が及ぶ可能性がありました。安心して楽しく過ごせるように、生活環境に合わせたケアをしてあげましょう。