猫が「花火」を苦手とする理由
夏の風物詩である花火。ご自宅から見えると嬉しくなりますよね。しかし、猫にとっては迷惑な存在になりがちです。なぜ多くの猫は花火が苦手なのか、その理由について紹介いたします。
1.音が大きいから
花火との距離にもよりますが、花火は大きな音がします。動物にとって大きな音は、自分の身に危険が迫っているという恐怖感を与えます。
2.低い音はより恐怖の対象となる
多くの動物は、低い音が苦手です。アメリカの鳥類/動物学者であるユージン・モートンが「音程の法則」として発見したことですが、その理由は、仲間や捕食者が威嚇の際に発する声と似ているからだと考えられます。
花火は高い音もしますが、「ドーン」という低音も響きます。猫にとっては何の音か分からない様々な大きな音がするだけでも恐怖でしょうが、最後の「ドーン」という低い音はその恐怖をより大きくしているかもしれません。
3.怖かった記憶があるから
今聞こえている花火の音も猫にとっては恐怖の対象となりますが、過去の「大きな音がずっとしていて怖かった」などという記憶によって猫の恐怖が増幅されているかもしれません。
花火によるストレスを軽減するためにできること
お住いの場所によっては花火が見えたり、音が聞こえたりしますよね。これが毎年のこととなれば、愛猫にとってはその時期は苦痛な時期となり、ストレスがたまってしまいます。
そこで、ここからは少しでも猫のストレスを軽減するためにできることを紹介していきます。
窓を閉める
飼い主さんとしては、思い切り窓を開けて豪快に花火を楽しみたいところでしょう。しかし少々残念ではありますが、猫のためには窓は閉めてあげましょう。
開いている状態と比較すると音の大きさが軽減されますし、ビックリした拍子に脱走してしまうという最悪の事態を防ぐことができます。
カーテンを閉める
花火が見える場合は、カーテンを閉めると良いでしょう。音と共にピカピカした光も怖い場合にはそれも見えなくなるので、より恐怖心を和らげることができます。
飼い主さんは別室から眺めるか、花火が始まる前からベランダに出て鑑賞すると良いでしょう。
避難場所を用意する
ここまで紹介した対処法でも、まだまだ怖いと感じる猫は多いはず。そこで、安心して隠れられる場所を用意してあげると良いでしょう。
例えばソファーの下を掃除しておいて隠れ家にする、飼い主さんの布団に潜ってもらう、本棚などの一部分を避難場所にするなどです。
猫は狭くて暗い場所に隠れると安心します。もちろんケージやキャリーがあって普段から入り慣れていれば、それを隠れ家にしましょう。その場合は、上から布を被せておくと視界も音も遮断され、より安心してもらえるでしょう。
まとめ
私達にとっては美しく、気持ちが明るくなる花火。人間達が毎年楽しみにしている一方で、猫にとっては恐怖の対象になりがちです。
その主な理由は「大きな音」にあります。
猫にはそもそも「花火」が何なのかが分からないので、普段の生活にはない大きな音やチカチカ光るきらめきが恐怖の対象となるのも当然のことです。
そのため、猫の緊張やストレスが少しでも和らぐように配慮してあげる必要があります。
ただし、猫が花火を苦手とするかどうかについては、個体差があります。大きな音がして最初はびっくりしても、何も起こらないと分かってむしろ興味を持ってくれる場合は、窓は閉めたまま(脱走防止のため)一緒に楽しんでみてください。