猫に『あさがお』は危険?2つ理由と誤飲・誤食時の対処法

猫に『あさがお』は危険?2つ理由と誤飲・誤食時の対処法

「あさがお」といえば小学生が栽培する定番の花ですが、猫がいるご家庭では注意が必要なのです。今回は、あさがおの危険性や、誤飲してしまった際の対処法について詳しく解説いたします。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫に『あさがお』が危険な理由

あさがお

あさがおは、夏を感じることができるとても身近な植物です。栽培も簡単なので、お家で育てている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなあさがおですが、猫にとっては危険な存在なのです。その理由を2つ紹介いたします。

1.ヒルガオ科の植物と相性が悪いから

あさがおはヒルガオ科に属する植物です。猫はヒルガオ科の植物と相性が悪く、誤って口にしてしまうと中毒症状を引き起こす恐れがあります。

あさがおの花自体に毒性はありませんが、特に種子には毒があるので気をつけましょう。

2.毒性が強い種を誤飲するリスクがあるから

あさがおは、花が咲き終わると種を収穫することができます。実は、この種が最も危険な部位なのです(内側の黒い種)。

種には「ファルビチン」という成分が含まれており、猫がこれを摂取してしまうと中毒症状を引き起こします。

主な症状は、嘔吐・下痢ですが、ひどい場合は血圧低下や神経症状を引き起こす可能性があります。

猫はコロコロと転がるものに興味を示しやすいので、種の管理には注意が必要です。あさがおの種で遊んでいるうちに、うっかり誤飲してしまうリスクがあります。

また、この成分は人間が接種しても下痢を引き起こします。小さなお子様が間違って食べてしまったり、すり潰して遊んだりしないように、手の届かない場所で保管してください。

猫が誤飲してしまったらどうすべき?

診察を受ける猫

どんなに細心の注意を払っていても、猫が誤ってあさがおを食べてしまうことがあるかもしれません。

重要なのは、誤飲を発見した後の対処です。適切な対処法をいくつか挙げておきます。

症状があれば診てもらう

嘔吐や下痢などが見られたら、診察を受けてください。

尚、病院に出向く前に「あさがおを食べてしまった」と電話で伝えおくと良いでしょう。問診の代わりになるので、診察までの過程がスムーズになります。

症状がなくても相談を

仮に無症状であっても念の為、食べたことに気づいたらすぐにかかりつけの動物病院に相談してください。特に種を食べてしまった時は、おおよその数や食べた時間帯を伝えておいてください。

その後、診察の指示があれば病院に連れて行きましょう。経過観察の指示が出た場合は、普段よりも注意深く様子を見てあげてください。

そして、万が一に備えて、夜間救急の病院も事前に調べておくと安心です。

無理やり吐かせない

いかなる誤飲の場合もそうですが、無理やり吐かせるのは危険です。絶対にやめましょう。

まとめ

あさがおを眺める家族

今回は、猫にとってのあさがおの危険性について紹介いたしました。

特に危険なのは、種でしたね。あさがおの種はサイズが小さく、猫の誤飲に繋がりやすいので、取り扱いや保管場所に気をつけてください。小学生のお子様が学校から持ち帰る機会があれば、それとなく注意を促してあげましょう。

万が一猫が食べてしまった場合は、自己判断せずにすみやかに動物病院に相談してください。症状の有無を問わず、一度電話で状況を伝えておくと安心です。

ちなみに、あさがおには「日本朝顔」「西洋朝顔」の2種類があります。どちらも下痢を引き起こす毒を持っていますが、西洋朝顔の毒は神経症状を引き起こす恐れがあるので気をつけましょう。

最後に余談ですが、ナス科のチョウセンアサガオという植物も要注意な存在です。あさがおとは全く別物の植物ですが、葉・茎・根など全てに猛毒があります。猫がいるご家庭では室内に持ち込まないようにしましょう。

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