猫の『首をつまむ』と大人しくなる理由2つ 利用すべき&絶対NGのタイミングとは

猫の『首をつまむ』と大人しくなる理由2つ 利用すべき&絶対NGのタイミングとは

猫は首をつまむと、力が抜けたように大人しくなります。なぜ首をつままれた猫は、静かに大人しくなってしまうのでしょうか。猫に落ち着いてほしい時に飼い主も利用できそうですが、気をつけなければならないこともあります。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.本能によるもの

子猫をくわえようとする母猫

母猫は、子猫を移動させる際、首の後ろをくわえて運びます。この時、子猫が暴れたり騒いだりしては外敵に見つかりやすくなったり、子猫が落ちたりして危険です。また、じっとしていてくれた方が、母猫も運びやすくなります。

そのため、母猫にくわえられると子猫は体の力を抜いて体を丸め、声を出さなくなるのです。これは猫の本能によるもので、猫の首をつまむと大人しくなるという現象を「PIBI(Pinch-Induced Behavioral Inhibition)」といいます。

子猫の頃の方が顕著ですが、成猫になっても適度な強さでつまむことで、この現象を起こすことがあります。

2.リラックス効果がある

猫の首の後ろを撫でる女性

首をつまむと大人しくなるのには、もうひとつ理由があります。これは子猫だけでなく、成猫にもいえることなのですが、首をつまむと、心拍数が下がり、リラックス効果を得ることができるともいわれています。

暴れていた猫が首をつまむことで大人しくなるのは、気持ちが落ち着くからでもあるのですね。

PIBIを利用するタイミングとは?

キャリーの中の猫

動物病院へつれて行く際、キャリーに入れようと思っても嫌がって逃げ回る猫は多いですよね。そのような時に首をつまんで大人しくさせると移動がスムーズです。特に災害時など、すぐに避難しなければならない時、キャリーに入れるのに役立つでしょう。

また、爪切りなど暴れると危ないような時にも大人しくさせるのに有効です。猫自身もリラックス状態になるので、負担を減らすことができます。

首をつまんではいけないのはどんな時?

猫の首の後ろに伸ばした女性の手

猫が興奮しているのを抑えるために首をつまむのは有効ですが、つまみ方には気をつけましょう。力を入れて強くつまんだり、つまんだまま持ち上げる、揺するという行為は絶対にやめて下さいね。

また、寝ている時、食事中、何かに集中している時などは猫が触ってほしくないタイミングです。そっとしておいてあげましょう。

リラックス効果があるとはいえ、首をつまむのを嫌がる猫もいます。そのような場合は無理をしないで下さい。

覚えていてほしいのは、猫の首をつまむ行為は何か理由がないかぎりはあまり推奨されていないということです。猫を怒らせる可能性もある行為でもあることをちゃんと理解しましょう。

まとめ

首をつままれる猫

猫は首をつまむと大人しくさせることができますが、面白がって遊びで首をつまむのはやめましょう。どうしても必要な時だけ、正しい方法で行って下さいね。

適度に首をつまむようにしてマッサージしてあげるのは、猫もリラックスし、よいスキンシップにもなります。

猫が嫌がらないようであれば、マッサージしてあげてもいいでしょう。その場合も猫の様子を見ながら、長時間にならないよう気をつけて下さいね。

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