1.本能によるもの
母猫は、子猫を移動させる際、首の後ろをくわえて運びます。この時、子猫が暴れたり騒いだりしては外敵に見つかりやすくなったり、子猫が落ちたりして危険です。また、じっとしていてくれた方が、母猫も運びやすくなります。
そのため、母猫にくわえられると子猫は体の力を抜いて体を丸め、声を出さなくなるのです。これは猫の本能によるもので、猫の首をつまむと大人しくなるという現象を「PIBI(Pinch-Induced Behavioral Inhibition)」といいます。
子猫の頃の方が顕著ですが、成猫になっても適度な強さでつまむことで、この現象を起こすことがあります。
2.リラックス効果がある
首をつまむと大人しくなるのには、もうひとつ理由があります。これは子猫だけでなく、成猫にもいえることなのですが、首をつまむと、心拍数が下がり、リラックス効果を得ることができるともいわれています。
暴れていた猫が首をつまむことで大人しくなるのは、気持ちが落ち着くからでもあるのですね。
PIBIを利用するタイミングとは?
動物病院へつれて行く際、キャリーに入れようと思っても嫌がって逃げ回る猫は多いですよね。そのような時に首をつまんで大人しくさせると移動がスムーズです。特に災害時など、すぐに避難しなければならない時、キャリーに入れるのに役立つでしょう。
また、爪切りなど暴れると危ないような時にも大人しくさせるのに有効です。猫自身もリラックス状態になるので、負担を減らすことができます。
首をつまんではいけないのはどんな時?
猫が興奮しているのを抑えるために首をつまむのは有効ですが、つまみ方には気をつけましょう。力を入れて強くつまんだり、つまんだまま持ち上げる、揺するという行為は絶対にやめて下さいね。
また、寝ている時、食事中、何かに集中している時などは猫が触ってほしくないタイミングです。そっとしておいてあげましょう。
リラックス効果があるとはいえ、首をつまむのを嫌がる猫もいます。そのような場合は無理をしないで下さい。
覚えていてほしいのは、猫の首をつまむ行為は何か理由がないかぎりはあまり推奨されていないということです。猫を怒らせる可能性もある行為でもあることをちゃんと理解しましょう。
まとめ
猫は首をつまむと大人しくさせることができますが、面白がって遊びで首をつまむのはやめましょう。どうしても必要な時だけ、正しい方法で行って下さいね。
適度に首をつまむようにしてマッサージしてあげるのは、猫もリラックスし、よいスキンシップにもなります。
猫が嫌がらないようであれば、マッサージしてあげてもいいでしょう。その場合も猫の様子を見ながら、長時間にならないよう気をつけて下さいね。