1.猫が安全に暮らすために縄張りが必要
猫は基本的に単独で行動する動物です。餌場の奪い合いをしていると十分に食べることができなかったり、奪い合いの喧嘩で怪我をすれば命に関わる状態になったりします。無駄な争いを避けるために縄張りが必要なのです。
なお、メス猫とオス猫では、縄張りの目的や広さに違いがあります。メス猫の縄張りは、食べ物を探す目的がメインで半径50mほどです。オス猫の縄張りは、子孫を残すことが主な目的で、何匹かのメス猫の縄張りを囲うように縄張りをもち、半径500m程です。
2.一歳を過ぎた頃に自分の縄張りを作る
子猫は母猫に守られながら成長しますが、一歳頃になると母猫が子猫を威嚇して突き放し、自立を促します。これは、同じ縄張りの中にいると食べ物が不足して共倒れになってしまうことを防ぐためです。
メス猫は母猫の近くに縄張りを作り、子育てを協力して行うことがあります。オス猫は近親での繁殖を避けるために、母猫から離れた場所に縄張りを作ります。
3.においで縄張りを主張する
猫は自分のにおいをつけることで、自分の縄張りの主張をします。
肉球から出るにおいを爪とぎをしてつけたり、立った状態でおしっこを後ろにまく「尿スプレー」をしてにおいをつけたりします。
4.室内で暮らす猫は家の中が縄張り
外に出たことがない室内で暮らす猫にとって、縄張りは家の中です。
新入り猫が来たり、お客さんが来たりしたときは「縄張りに侵入された」と思い警戒する猫もいます。
5.縄張りは毎日パトロールする
猫は毎日縄張りを歩いてまわり、侵入した猫がいないか、つけたにおいが薄くなっていないかなどをチェックしています。
パトロール中に他の猫と出くわして喧嘩にならないように、それぞれ決まった時間に決まったコースでパトロールをして会わないようにしているのです。
室内で暮らす猫も家の中を歩いたり、窓の外を見て侵入者がいないかチェックしています。
6.縄張り争いに注意
新入り猫は先住猫からすると侵入者なので威嚇をして追い出そうとします。対面まで別の部屋で過ごし、対面もケージ越しで短時間から始めるなど時間をかけて行い、先住猫と新入り猫にできるだけストレスを与えないようにしましょう。
オス猫はメス猫と比べて縄張り意識が強いです。多頭飼育ではオス猫同士が縄張り争いになってしまうことがあります。
それぞれの隠れられる場所や周りを見渡せる高い場所、食事場所やトイレを用意して、猫同士で発生するストレスの対策をしましょう。どうしても相性が悪いときは、部屋を分けて生活することも必要です。
7.縄張り行動を叱らない
猫は縄張りを主張するために爪とぎや尿スプレーをしますが、室内で行うと汚れたり傷がついたりして飼い主さんが困ってしまう場合があります。
とはいえ、これらの行動は猫の本能で行っているので、叱ってもやめさせることはできません。猫の爪とぎや尿スプレーで汚れたり傷がついてほしくない場所にはカバーをつけるなどして、対策をしましょう。
ちなみに、猫の尿スプレーは、避妊去勢手術をすると90%が解決すると言われています。猫の繁殖を望まない場合は避妊去勢手術を検討してみましょう。
まとめ
今回は、猫の「縄張り」にまつわる豆知識をご紹介しました。「縄張り」と一言でいっても、かなり奥が深いですよね。
たまには愛猫の縄張りのパトロール様子など観察してみてはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれませんよ。