1.人間用の薬を使用することもある
動物病院で使われている医薬品にはフィラリア予防薬、ノミ・ダニ駆除薬、ワクチンなど動物用に開発されたものもありますが、人間用の医薬品も使われています。猫の治療に必要な薬が、人間と同じということがあるのです。
動物病院では猫に人間用の薬を使うこともありますが、飼い主さんが自己判断で人間用の薬を猫に与えることは絶対にしないでください。
人間用の薬の中には、猫がうまく代謝・排泄ができずに中毒を起こしてしまうものがあります。
また、犬など他の動物に処方された薬を、猫に与えることも避けましょう。動物病院で処方された薬は指示されたとおりに猫に与えることが大切です。
ただし、処方された薬が猫の体質によっては合わないこともあります。薬を与えた後に猫の体調に異変が見られたら、かかりつけの動物病院に相談をしましょう。
2.薬が胃に届くまで時間がかかる
口から入った薬が食道を通り、胃に送り出されるまでの時間は犬が4~5秒に対して、猫は9~12秒かかると言われています。薬が食道に張り付いてしまうと炎症を起こすおそれがあります。
猫に薬を飲ませたら、水を少し飲ませたり、ごはんを与えたりして胃に流すようにします。
ただし、ごはんを食べた後に吐き戻してしまうことがある猫は、ごはんと一緒に薬を吐き出してしまうことがあるので、食後30分以上経ってから薬を与えた方がいいでしょう。
食前と指示のある薬は溶ける時間を考えて食事の30分以上前の方が良いこともあります。よく吐き戻しをする猫の場合は、投薬タイミングについて主治医に相談しておくと良いでしょう。
3.猫が泡をふいてしまうことがある
薬を飲んだ猫が、口をくちゃくちゃさせて白い泡をふいてしまうことがあります。
苦い薬を飲んだときに、苦味を吐き出そうとして口からブクブクと泡になったよだれを出してしまうのです。猫が苦味を感じるのは「舌の奥」です。そのため、それよりも奥に薬を入れて飲ませる必要があります。
苦味以外に、薬を飲まさせるときに口を無理やり開けられたり、痛かったり嫌なことに対して、反射的によだれをぶくぶくと泡にして出してしまう場合もあります。薬を飲むときに嫌な経験を思い出して、自然とよだれが出てしまうケースもあります。
猫が「薬を飲むことは嫌なことだ」とトラウマのように感じてしまわないように、猫に無理をさせない投薬をすることが大切です。
まとめ
今回は、猫の「薬」についての豆知識をご紹介しました。
人に使われる薬が猫にも使われていることがありますが、自己判断で与えることはNGです。動物病院で処方された薬は指示されたとおりに猫に使用しましょう。
薬の投薬は猫によってスムーズにいかない場合があります。うまくいかないときは動物病院で投薬の仕方を教えてもらうなど、猫への負担が少なくなるようにしましょう。