1.表情の変化
「急性痛」とは、ケガや手術、病気などが原因で生じる一時的な痛みのことを指すことが多いようです。痛みがあると、表情に変化が表れる場合があります。
目が閉じ気味になる、もしくは完全に閉じる、耳が後ろ向きになる、口元に力が入るなどが挙げられます。普段の愛猫とは違った、険しい表情になる、といえば分かりやすいでしょう。人でも痛みがあると目を閉じたり、口元が歪んだりしますので、ほぼ同様の表情の変化が表れるようです。
ただ、ペルシャやエキゾチックなどのいわゆる「鼻ペチャ」と呼ばれる猫種では分かりにくい場合があるため、より注意した方がよいでしょう。普段の様子との違いを、良く観察する必要がありそうです。
2.鳴き声
急性痛があると、猫も人間と同様に、うなり声をあげます。「ウウー」や「シャー!」などとうなっている場合は、痛みを抱えていることがあるのです。特に痛い部分を触られたりすると普段は穏やかな子が怒ったりすることもあるでしょう。
また、紛らわしい鳴き声として「ゴロゴロ」が挙げられます。通常であれば快適を表していますが、痛みがある場合も、喉を鳴らすことがあるからです。鳴き声だけでは判断しづらいと思いますので、猫の状態から総合的に見る必要があるでしょう。
3.姿勢
痛みを感じていると、姿勢にも表れる場合があります。たとえば、丸まっていたり、落ち着かずに体勢を変えたりすることがあります。丸まるのは寒くてもやる姿勢なので、体調など他の変化がないか確認しましょう。
4.患部を舐める
痛い患部が気になって、執拗に舐めることも。通常の毛づくろいとは異なり、長時間に渡るため、観察していると判断がつきやすいでしょう。
ただ、患部を舐めると悪化してしまう可能性があります。そのため、「エリザベスカラー」という首まわりに巻く道具で、舐めるのを阻止するのです。手術をした場合は「術後服」という専用の衣服を着せることもあります。
5.好奇心の消失
普段はおもちゃに興味を示すはずの猫が、痛みがあると全く見向きもしなくなる場合があります。それどころではないのでしょう。こんなときの猫は、どこかに身を隠して出てこなかったり、ずっと壁の方を向いたりして、孤独な時間を過ごします。
具合が悪いときは、人も同じような状態になるでしょう。もし愛猫がこのようになったときは、適切な処置をした上でそっとしておくのが一番のようです。
まとめ
猫も人も、痛みがあるときの行動はあまり変わりがないよう。ただ猫は、不調を隠す生き物だといわれていますので、分かりやすい異変が表れているときは、よほど具合が悪いのでしょう。なるべく早く回復してもらえるよう、負担を最小限にするのが飼い主さんの努めとなるようです。