猫の『足腰』が弱ってしまう原因6つ!早くからしておくべき対策とは

猫の『足腰』が弱ってしまう原因6つ!早くからしておくべき対策とは

猫も人間のように、足腰が弱ってしまうことがあります。これにはどのような原因があるのでしょうか。また、悪化してしまった場合やそもそもの原因に対して、早めにできる対策はあるのでしょうか。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の「足腰」が弱ってしまう原因

フローリングを歩く猫

猫の足腰が弱る原因は、単なる加齢だけではありません。ここでは、年齢を問わず起こり得る原因を、早くからしておくべき対策と合わせて解説いたします。

1.フローリングでの生活

ツルツルと滑るフローリングは、猫の足に負荷をかけてしまいます。将来的には関節炎を招き、足腰が弱ってしまう可能性があるのです。

特に長毛種の場合は、足裏に毛が生えているので顕著です。フローリング中心の生活を送るのであれば、足裏の被毛を定期的にカットするように心がけましょう。

その他の対処法としては、タイルマットを敷く・部屋の一部を絨毯張りにするなどが挙げられます。

2.転倒・骨折などの怪我

猫といえば、運動神経が優れているイメージがありますよね。しかし、意外とそそっかしい一面を持ち合わせています。

例えば、物音に驚いた時などは慌てて転倒する可能性もありますが、このようなことが原因で、脱臼やヘルニアを発症する恐れがあります。さらに、テーブルやキャットタワーから転落すると骨折することがあります。

特に高齢の猫の場合は、筋力が落ちているうえに怪我をすることになるので、回復後も足腰が弱い状態になる可能性が否めません。

激突すると怪我に繋がりやすいテーブルの脚などは、カバーをつけて保護するようにすると良いでしょう。キャットタワー周辺には、転落時の衝撃を和らげるクッションなどを置いてあげましょう。低めのキャットタワーを設置することも、事故防止になります。

3.心筋症

猫

心筋症を患うと血栓ができ、その血栓が脳や足の血管を詰まらせてしまうことがあります。中でも猫の場合は後ろ足の根元の血管に飛びやすく、突然足を引きずるようになります。

この病気は、無症状でも偶然発見されることがあります。シニアに近づく7歳頃から、定期的に健診を受けておくと安心です。

4.貧血

貧血の症状としてふらつきが見られたり、よろけるなどの行動が見られます。その他にも歯茎や舌が白くなる、疲れやすいなどの特徴的な症状が見られます。

高齢猫の場合は命に関わることが多いので、これらの異変に気づいたら診察を受けてください。

5.脳腫瘍

猫も脳腫瘍を患うことがあります。この疾患は腫瘍の位置によって様々な症状を呈するものですが、運動機能に関わる部位にできしまうと歩行が難しくなります。

具体的には足がもつれる・上手く歩けない・立ち上がれないなどの状態に陥ります。

残念ながら脳腫瘍に対しては、ダイレクトに効果を発揮する予防法はありません。しかし、ストレスによる免疫力の低下(がんの原因の1つ)を予防したり、頭部の外傷を防ぐことは可能でしょう。

完全室内飼育を維持しながら、楽しく過ごせる工夫をしてみてください。そして、愛猫の歩行に違和感があれば早めに診察を受けてください。

6.筋力の低下

猫が長生きできる時代になった今、「いかに筋力を低下させないか」ということも重要な課題です。足腰が弱ってしまうのは加齢だけではないとしつつも、やはり無関係ではありません。

家猫は狩りをしない分、運動不足になりがちです。若くてアクティブな頃は積極的に遊んであげましょう。本能的に活発になる夕方以降の時間帯がおすすめです。

シニアに移行(10歳以上になった)後は、普段の生活の中で体を動かすように仕向けてあげると良いでしょう。例えば、敢えて食器と水飲み場を離す、トイレまでの距離も確保するなどの取り組みです。無理のない範囲で移動させることで、筋肉の衰えを予防します。

まとめ

辛そうな猫

猫の足腰が弱ってしまう原因は、病気や怪我・運動不足や加齢による筋力の低下など、多岐にわたるものです。

対処法(予防法)については、滑りにくい床の工夫・怪我の予防・運動不足の解消などを早めに実行することが大切です。

ただし、心疾患が疑わしいケースでは、かえって運動がs表情の悪化を招くので要注意です。わずかな運動量で眠ってしまう、口を開けて呼吸をするなどの症状が見られたら、激しい動きは避けて診察を受けてください。

『転ばぬ先の杖』という言葉があるように、愛猫が少しでも長く自分の足で歩き続けられるようにサポートしてあげてください。

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