飼い主の「在宅勤務」が猫のストレスになる理由
大好きな愛猫と仕事中も一緒にいられる「在宅勤務」。しかし猫にとっては、必ずしも嬉しいこととは限らないようです。
まず、飼い主の「在宅勤務」が猫にとってストレスになってしまう場合の理由について解説します。
1.生活リズムが変化してしまうから
多くの猫は毎日同じルーティンに則って暮らすことを好むため、その決まった生活リズムが崩れることがストレスになります。
飼い主がいつも決まった時間に仕事で外出する場合、飼い主がいない間猫は昼寝をしてのんびり過ごし、飼い主が帰宅すると甘えたり遊んだり活発に行動するというルーティンができています。
しかし、飼い主が在宅勤務になると、猫は家にずっと飼い主がいることに「いつもと違う」と戸惑い、ストレスを感じてしまうことがあるのです。
2.知らない人の声が聞こえるから
在宅勤務で電話やリモート会議などが必要になる方もいると思います。その際、在宅勤務前は聞こえてこなかった仕事用の通話やリモート会議の音声が猫にも届いてしまう可能性があります。
変化に敏感な猫は、知らない人の声や聞き慣れない音が聞こえることにも「いつもと違う」と感じ、それがストレスとなることがあるのです。
3.構ってもらえないから
飼い主が自宅にいるので(構ってもらえる♪)と期待する猫もいます。しかし、実際は構ってもらえず、期待したようにならないためストレスとなってしまう場合がありです。
また、飼い主がいつも近くにいることに慣れて、後ろをついて歩くようになったり常に飼い主にまとわりつくようになったりすると、今度は飼い主から離れることに過剰に不安になってしまうこともあります。
そうすると今度は、飼い主が出社するようになった時にストレスを抱えるようになる可能性があります。
4.構われすぎる
逆に在宅勤務によって構われすぎてしまって、猫がストレスを感じるようになる場合もあります。
構われ過ぎることによるストレスが大きくなると、飼い主から逃げたり隠れたりしてしまうこともあります。
「在宅勤務」でも猫にストレスを与えないための対策
では、飼い主の「在宅勤務」中であっても愛猫にストレスを与えないようにする対策にはどのような方法があるのでしょうか。
ワークスペースと猫の生活スペースを分ける
猫が出入りできないワークスペースを作ることができれば、猫の生活に起こる変化を最小限にすることができます。
仕事中の飼い主の姿が見えないようにすることでも、環境の変化や飼い主がいるのに構ってもらえないなどの猫のストレスを減らすことができるでしょう。
生活にメリハリをつける
在宅勤務は猫と一緒にいられる時間が増えて嬉しいですよね。ですが、自宅での過ごし方と同様に愛猫への接し方もメリハリをつける必要があります。
猫が構ってほしいアピールをしてきたり猫のかわいい姿が見えたりしても、仕事中は猫に構わず、休憩時間や仕事が終わってから猫と触れ合うようにすると、猫が構われすぎてストレスを抱えることもないでしょうし、猫も新しい生活リズムを確立しやすくなります。
猫の邪魔をしない
自分の休憩時間だからといって、猫が寝ているときや食事中などは、猫の邪魔をしないでそっとしておきましょう。
猫がひとりで過ごす時間を作る
猫は自分のペースで行動することを好む動物です。猫がのんびりと外を眺めたり、お気に入りの場所で昼寝をしたりしている時も、ひとりで好きなように過ごさせてあげましょう。
飼い主と離れることを特別なことにしない
在宅勤務で一緒にいる時間が多くなると、それが当たり前となって飼い主と離れることが特別なことになってしまい、飼い主が外出することに猫が過度の不安を感じてしまうようになることがあります。
もし飼い主と離れることに不安になっていそうな様子が見られたら、たとえば出かけるときに猫に声をかけたり、帰宅してすぐに過度に構ったりなど、猫に飼い主と離れることを特に意識させる行動は控えましょう。
外出する時も、特に猫を相手にせずにさり気なく家を出たり、帰宅後は猫が落ち着いてから構うようにしましょう。
また、飼い主が在宅勤務中も猫がひとりで過ごす時間を作ることは、飼い主と離れることを特別なことにさせないためにも役立ちます。
まとめ
自宅で仕事ができると、ずっと猫と一緒にいられるので飼い主は嬉しいかもしれませんが、性格や環境によっては猫にとってストレスとなる可能性があります。
初めて在宅勤務になることで猫の生活リズムが変わってしまうことや、構ってもらえない、構いすぎなどの状況が、猫にとってストレスとなり得るのです。
「在宅勤務」がスタートすることになったら、猫の毎日のルーティンをできるだけ変えないように、猫がひとりで過ごすことに不安を感じるようにならない工夫をして、猫との適切な距離感を保てるように意識しましょう。