ペットロスの飼い主さんにしてはいけないこと
猫と心の繋がりが強くなった現代人にとって、猫との死別はとても辛いもの。たとえなにげない励ましのつもりだったとしても、本人にとっては耐え難いことかもしれません。
ここでは、猫とのお別れで悲しんでいる飼い主さんに対して、絶対にしてはいけないことを紹介いたします。
1.早く忘れるようにアドバイスする
仮に数日であっても、数ヶ月であっても、数年であっても、愛猫と過ごした日々を忘れることはできません。飼い主さんにとっては、かけがえのない思い出です。
「悲しみに落ちてしまうくらいなら、早く忘れたほうが…」と感じてそうアドバイスしてしまうかもしれませんが、それはご本人にとっては適切ではないでしょう。
2.「自分より早く亡くなることは自然なこと」と諭す
愛猫が亡くなったことを報告し、胸の内を打ち明けた時、「人間よりも早く亡くなるのは自然なこと。それを分かっていて飼ったんじゃないの?」という返答が返ってくることがありますよね。
もちろんこの言葉にも悪意はないと思います。それでも、悲しみに打ちひしがれてる飼い主さんにとってはあまり聞きたくない言葉。実は筆者も経験済みです。
愛猫のほうが先に逝ってしまうという事実は、誰もが理解しています。それでも別れはダメージが大きいものなのです。
3.ペットロス自体を否定する
愛猫を亡くしたことに対して、悲しむこと自体が不自然というように、ペットロスそのものを否定することもまた好ましくありません。
ある程度生きてきた人であれば、一度くらいは親しい人とのお別れを経験しているのではないでしょうか。
最も悲しく辛い時期に、ネガティブな反応を向けられたらどうでしょうか。大切な存在を亡くした以上に、ショックが大きいと思います。
今や猫も家族の一員のような存在。一時的なペットロスは心が正常に働いている証なのです。ペットロス自体を否定しないように気をつけてください。
4.新しい猫を迎えることを勧める
まだお別れして日が浅いうちは、「新しい猫を迎える」という文言は禁句です。強要されるがままに迎えてしまうと、純粋な気持ちで愛せなくなってしまう可能性があります。
(飼い主さんが前を向いて歩いて行けるように…)という気持ちでお勧めするのであれば、気持ちが整ったタイミングで声をかけてみてください。時期が適切であれば、良い意味で活きてくるメッセージになるでしょう。
5.自分の経験や価値観を押し付ける
似たような経験を持つ人の言葉が背中を押してくれることがある反面、逆に価値観を押し付けられたと感じてしまうことも。
「私は〇日で立ち直ったよ」「〇〇は絶対しないほうが良い」などの強いメッセージが、かえって飼い主さんを苦しめてしまうことがあるのです。
自分自身の経験や価値観は、他の誰かと同じものではありません。悲しみと向き合うことも時間も、笑顔が戻るタイミングも人それぞれという感覚を大切にしてください。
まとめ
愛猫とのお別れで辛い日々を送る飼い主さんに対して、絶対にしてはいけないことを紹介いたしました。
どれも飼い主さんを励ますつもりで心配やいたわりの気持ちでしたことかもしれません。しかし、悪気はなくても、タイミングが悪かったり使う言葉によっては、結果的に空回りを招いてしまいます。
とはいえ、ペットロスの飼い主さんとの心の通わせ方に正解はありません。実際、受け取り方は人によって違うのです。
もし飼い主さんを思いやる純粋な気持ちがあるのであれば、ただ難しく考えるよりも静かに寄り添い、「悲しい」という思いを受け止めてあげるだけで十分なのではないでしょうか。おそらく飼い主さんの方も、誰かに答えを求めているわけではないでしょう。
まずは決して否定的な態度を取らず、あたたかく見守る姿勢が大切になってくると思います。