『ストルバイト結石』を持つ猫にみられる症状5つ 今からできる予防方法とは

『ストルバイト結石』を持つ猫にみられる症状5つ 今からできる予防方法とは

猫の尿路結石の1つであるストルバイト結石。今回は見逃さないでほしい5つの症状と、今からできる予防策について解説いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

「ストルバイト結石」の猫に見られる症状

猫の尿検査

猫に見られる尿路結石の一種である「ストルバイト結石」。リンやマグネシウムの多い食生活や水分不足などが引き金で起こる病気です。

猫がストルバイト結石を患うと、どのような症状が現れるのでしょうか。こちらでは、見逃さないでほしい症状を5つ紹介いたします。

1.尿にキラキラした粒が混ざる

ストルバイト結石・結晶を持つ猫の尿には、キラキラした粒が混ざります。粒が大きいと、ダイヤモンドのように強い光を放ちます。

この段階ではまだ石になっておらず結晶の状態であることが多いため、普通に尿が出ている状態で、愛猫自身も自覚症状がありません。

人間の場合もそうですが、尿路結石は強い痛みを伴います。まだ痛みがない段階で治療ができれば辛い思いをせずに済むでしょう。遅くとも翌日には診察を受けてください。

2.何度もトイレに行く、粗相をする

ソワソワと落ち着きがなく、何度もトイレに行く様子があれば要注意です。尿がどの程度出ているか、粗相をしていないか確認してください。

この病気では、極小量の排尿を繰り返すことがあります。その過程で間に合わないと漏らしてしまうことがあるのです。

丸1日この状態が続く、もしくは全く尿が出ないなどの症状が見られたら様子を見ないですぐに診察を受けるようにしましょう。

3.唸る、悲鳴のような声をあげる

2番目の症状と共に、唸り声や悲鳴に似た声が聞こえてきた場合は、痛みを抱えています。

尿道が細いオス猫の場合は重症化するリスクがあるので、可能であればその日のうちに診てもらいましょう。

この病気自体は若年層(1歳〜6歳)に多いのですが、7歳を超える猫でも起こる可能性があります。シニアに近い年齢層の猫に症状が出た場合も、早めに診察を受けてください。

4.血尿が出る

飼い主さんが最も気づきやすい症状は血尿です。ちなみに猫には月経が存在しないので、血液が混ざった尿は全て血尿になります。

血尿が出る疾患は他にもありますが、ストルバイト結石もその中に含まれます。他の症状などと合わせて血尿も見られる場合は、やはり当日中に受診することが好ましいでしょう。

5.食欲不振、元気がない、水を飲まない

これはストルバイト結石に限ったものではありませんが、愛猫からの重要なメッセージなので参考にしてください。

猫は不調を抱えると部屋の隅でうずくまり、そのまま動かなくなります。ほとんど飲まず食わずの状態で、元気がなくなります。

このような症状が見られたら、全身に触れてみてください。腹部に触れると痛がるようであれば、尿路系のトラブル(ストルバイト結石も含め)が疑われます。

翌日には確実に診察を受けられるように、日程などを調整してください。

ストルバイト結石の予防法

水を飲む猫

ストルバイト結石は普段の生活の中で、ある程度予防することが可能な疾患です。ここからは、今からできる予防法をいくつか紹介いたします。

水分補給をする

猫に尿路系のトラブルが多い要因として、あまり水を飲まず排尿回数が少ない習性が関与しています。よって、水分補給をする習慣を身につけさせることが大切です。

愛猫が好きなタイミングで水が飲めるように、部屋のあちこちに水飲み場を用意しましょう。(高温多湿の場所を避ける)

尚、ウエットフードを活用することでも水分を補うことができます。取り入れる際は、置き餌をしないように気をつけてください。

こまめにトイレ掃除をする

ストルバイト結石に繋がりやすいストレスの代表格はトイレの汚れです。猫はにおいに敏感なので、排泄物が残されていると我慢するようになってしまいます。

このトイレの我慢こそが、膀胱炎やストルバイト結石の引き金になってしまうのです。トイレの使用に気づいたら、早めに掃除をしてあげましょう。

留守番時間が長いご家庭では、トイレの数を増やす、砂を深めに入れるなどの対応をしてみてください。

おやつの食べ過ぎに気をつける

煮干しやかつお節などにはカルシウムやリンが豊富に含まれています。たとえ猫用だったとしても、食べ過ぎは厳禁です。

まとめ

トイレから見上げる猫

ストルバイト結石は1度発症すると再発しやすい疾患です。

その理由は、原因自体が猫の習性に基づくものが多いこと、簡単にはやめられない食習慣が絡んでいること、ストレス耐性が弱かったりデリケートな性格の猫に多いことが挙げられます。

「早期発見・早期治療」はもちろん重要ですが、それ以上に「防ぐこと」が大切になります。今からできることを今日から取り入れて、愛猫の健康を守ってあげてください。

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