猫がなりやすい『がん』3つ 早期発見する方法や予防法とは

猫がなりやすい『がん』3つ 早期発見する方法や予防法とは

人間の3大死因のひとつでもあるがんは、猫の病気の死因としても、その数はトップクラスです。今回は、特に猫に多く見られるがんの種類をご紹介します。猫の3匹に1匹が「がん」で死亡しているため、早期発見や予防法もチェックしていきましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)

診察をうける猫

扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)は、わかりやすく言うと、皮膚がんのことです。これは皮膚細胞の腫瘍で、発生する場所は耳や鼻、まぶたなどで、顔面や指(爪床)にもできます。また口腔内にできる腫瘍でもあります。

扁平上皮がんは比較的、局所浸潤性の高い腫瘍ですが、転移の心配がないわけではありません。顔面にできた腫瘍は下顎リンパ節や肺に転移することもあるので早期発見が大切です。

早期発見のためには、日頃からの観察やスキンシップがポイント。顔周りに触れて異変がないかチェックし、歯磨きをしながら口内の確認をするのも大切です。また鼻や耳の皮膚炎が治りにくいときは早急に動物病院を受診しましょう。

なお、原因の一つには紫外線やタバコの煙などがあげられ、白猫や淡色の猫は発症のリスクが高いといいます。家の中でタバコを吸ったり、喫煙後に猫を抱いたりするのも避けましょう。

2.乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)

授乳する母猫

猫の乳腺にできるしこりの80%が乳腺腫瘍(乳がん)です。

進行度合いで4つのステージに分けられ、リンパ節や他の臓器への転移がない状態を条件に、大きさが2cmより小さいものはステージⅠ、2~3cmの腫瘍はステージⅡとなります。ステージが上がるごとに生存率が下がるので、早期発見が重要です。しかし猫の乳腺は8個もあり、同時に複数発生することもあり、転移のリスクも高いです。

乳腺腫瘍にかかる猫は99%がメスで、避妊手術をすることでリスクを緩和することができます。子どもを産ませる予定がなければ、生後6カ月までに避妊手術を、遅くても1歳までに手術を行うと約8割の確率で予防できますよ。

なお、猫の乳腺腫瘍は見た目で見つけるのは非常に困難なので、定期的に触れてチェックしましょう。コリコリとした気になるしこりがあれば、すぐ動物病院を受診してください。

3.リンパ腫

衰弱した猫

リンパ腫は細胞(リンパ球)のがんです。まずリンパ球とは、細菌やウイルスなどが体内に侵入することを防御する働きをします。体内の表面近くから深部までのいたるところにあり、それぞれの免疫反応を調整しています。リンパ腫とは、そのリンパ球ががんになってしまった病気のことをいいます。

リンパ腫は消化器や胸の中、皮膚や肝臓など、あらゆる場所に発生するリスクがあるため、症状もさまざまです。しかし、消化管や鼻腔内での発生がよくみられます。嘔吐や下痢、咳、鼻詰まりに鼻血、呼吸困難、食欲不振に体重減少など、普段とは違う様子が見られたときは、動物病院を受診しましょう。

また、肩や脇、股などにあるリンパ節が腫れることもあるので、部位によっては触れたことで異変に気づけることもあります。

とくに猫のリンパ腫は、猫白血病(猫白血病ウイルス感染症)や猫エイズウイルス(免疫不全症候群)とも関係性あるので、リンパ腫の予防には、ワクチン接種も有効である可能性があります。

まとめ

体重計に乗る猫

がんの種類や発生した部位により、症状は異なりますが、体重減少だけは、がんに共通してみられます。体重減少の理由は、食欲が落ちるという単純な理由だけではなりません。がん細胞は代謝異常をきたすので、やせてきてしまうことがあります。

しかも、がん細胞はその存在自体を維持するために、タンパク質や脂質というような栄養を体から奪っていくのです。もし、理由もわからず愛猫が痩せてきたと感じたときには要注意です。その場合は様子を見ずに、速やかにかかりつけの動物病院を受診することをおすすめします。

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