猫が長生きする食習慣の秘訣
1.栄養バランスの整った「総合栄養食」を与える
キャットフードには「総合栄養食」「一般食」「間食」「副食」などの種類がありますが、このなかで猫の毎日の主食に適しているのは「総合栄養食」です。「総合栄養食」は猫が1日に必要としている栄養素が摂取できるフードなので、「総合栄養食」と水をしっかり与えるだけで栄養バランスの整った食生活を送れます。
一方「一般食」や「副食」はおかずなので、これだけで必要な栄養素を全て摂取することはできません。トッピングとして活用するなど、必ず「総合栄養食」と併用して栄養が偏らないように気をつけてください。「間食」はおやつであり、食事の代わりにはなりません。
また「療法食」は体に良さそうですが、特定の病気の治療や予防のためのフードなので、病気に合わせて栄養バランスが調整されています。健康な猫が食べると栄養バランスが偏って、かえって健康に悪影響が出てしまう恐れがあるので注意が必要です。「療法食」は飼い主さんの自己判断ではなく、獣医師の指導のもと与えてくださいね。
2.年齢に合ったフードを選ぶ
子猫・成猫・老猫では、それぞれ適した栄養バランスが異なります。ずっと同じキャットフードを与え続けるのではなく、ライフステージが変わるタイミングで食事内容を見直すことが大切です。
キャットフードは「全年齢対応」「子猫用」「成猫用」「老猫用」というように、対象年齢が分かれています。成長期の子猫はエネルギーをたっぷり摂取する必要があるので「子猫用」は高カロリーに、逆に老猫は代謝や活動量が低下するので「老猫用」はカロリーが控えめになっているなど、フードの対象年齢が分かれていることには理由があるのです。
ずっと「全年齢対応」のフードを与えていても問題ありませんが、ライフステージが変わって健康上の悩みが出てきた場合や、より今の愛猫に適したフードを選んであげたいという場合には、年齢に合わせてフードを切り替えることをおすすめします。
3.食事の量を管理して肥満を防ぐ
猫の長生きの秘訣のひとつは、肥満にならないことです。肥満はあらゆる病気のリスクを高め、肥満の猫は適正体重の猫と比べて病気の罹患リスクが上がり、時に命に関わる疾患にも罹患する可能性があります。飼い主さんは愛猫の食事量をしっかり管理して、肥満予防に努めましょう。
愛猫が食いしん坊だと、ついフードやおやつを多くあげたくなってしまうかもしれませんが、甘やかすのは愛猫のためになりません。どうしても食べ過ぎてしまう場合は、低カロリーのダイエット用フードを与えるなど、適正体重を維持するための工夫をしてくださいね。
若い猫と老猫、それぞれの食習慣のポイント
猫に長生きしてもらうためには、高齢になってから健康に気をつけるのではなく、若いうちから健康な体づくりを意識した食生活をすることが大切です。
猫は肉食動物なので、お肉やお魚をたっぷり使用した高タンパクな食事が体に適しています。穀物がメインのフードではなく、良質なタンパク質を十分に摂取できるフードを与え、老猫になった時に備えて丈夫な体をつくっておきたいですね。
逆に、腎臓病などではタンパク質を制限する必要がありますが、そういった「食事変更が必要な病気」になっていないか、毎年健診を受けることをお勧めします。
猫の老化のスピードには個体差がありますが、一般的には7歳を過ぎたころから少しずつ体の機能が衰え始めます。愛猫に老化のサインが出てきたら、老猫用の体に優しいフードに切り替えて健康を維持しましょう。
消化の負担にならないように穀物不使用のフードを選ぶ、肥満予防のために低カロリーのフードを与える、関節サポートのためにグルコサミンが配合されたフードにするなど、愛猫の健康状態を考慮しつつ食事内容を見直してください。
まとめ
残念ながら「これさえ食べておけば猫は長生きできる!」という食べ物があるわけではありません。しかし、栄養バランスの整った適量の食事を摂るというごく当たり前のことが、猫の健康をサポートし、長生きできる可能性を高めてくれるのです。愛猫と1日でも長く一緒にいられるように、健康的な食習慣を身につけましょう。
また猫の長生きの秘訣としては食習慣だけでなく、運動習慣やストレスのない生活を心がけることも重要です。
健康のために厳しい食事制限をして、猫のストレスになってしまってはよくありません。時には、愛猫の好きなものを食べさせてあげる日があってもよいでしょう。食べ過ぎた日はいつもより多めに運動するなど、ぜひ楽しみながら長生きを目指してくださいね!