猫の『ケガ』の原因ワースト3!トラブルを防ぐためにできること

猫の『ケガ』の原因ワースト3!トラブルを防ぐためにできること

愛猫をケガから守るためには、飼い主さんが猫のケガについての知識を深め、ケガの予防対策をする必要があります。猫がケガをしてしまう主な原因と、トラブル防止のためにできることを解説するので、ぜひ参考にして安全対策をしてくださいね。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫のケガの原因ワースト3

ケンカ中の猫たち

1.猫同士のケンカ

猫のケガで最も多いのが、猫同士のケンカによるひっかき傷や噛み傷です。猫は縄張り意識が強い動物なので、愛猫が外に出た際に野良猫と縄張り争いになってしまう可能性があります。他の猫とのケンカを避けるには、愛猫が自由に外に出られないようにすることが重要です。

たとえ完全室内飼いをしていても、多頭飼育の場合は猫同士のケンカが起こり得るので注意してください。一緒に暮らす仲間であっても、お互いのテリトリーを侵してしまうとケンカに発展します。特にオス同士はケンカになりやすいので、飼い主さんが気をつけて見守ってくださいね。

2.高いところからの落下

猫は高いところが好きなので、キャットタワーや棚の上に登って遊ぶことが多いですよね。高いところに登る遊びはよい運動になる一方で、高いところから落下して捻挫したり骨折したりする危険性があります。

猫は高いところから落ちても上手に着地できるとされていますが、床が滑って着地を失敗し、ケガに繋がってしまうケースは少なくないのです。

また近年、マンチカンなどの足の短い猫種の飼育頭数が増えていますが、これらの品種では猫本来の本能と自身の運動能力に大きな差があり、怪我に繋がるなどの事例が多く発生しています。

さらに高層階のベランダや窓から転落すると、捻挫や骨折では済まずに命を落としてしまうリスクもあります。猫は家の中にいれば安全だ、と油断しないようにしましょう。

3.交通事故

猫が自由に外に出られる環境で飼育していたり、脱走してしまったりした場合には、交通事故でケガをする危険性が高いです。また猫が交通事故にあっても、骨折のような歩き方の異常や出血が伴わないケガだと飼い主さんが気づけずに、病院に連れて行くのが遅れてしまうことがあるという点でも注意しなくてはなりません。

脱走した猫が無事に見つかった場合も、ケガをしていないかどうかを念入りにチェックしてください。歩き方がおかしいなどの異常があれば、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

猫のケガを予防する方法

低めのキャットタワーで遊ぶ猫と子ども

猫のケガを予防するには、飼い主さんがしっかり安全対策をすることが大切です。猫同士のケンカや交通事故によるケガは、猫を外に出さないことが1番の対策になります。屋内での多頭飼育の場合、どうしても相性が悪い場合は隔離できる環境を整えましょう。完全室内飼育をしていても、玄関や窓から脱走してしまうケースが多いので脱走対策を徹底しましょう。

飼い主さんが玄関から出入りする時に、猫が外に飛び出してしまわないように、玄関に繋がる廊下には脱走防止フェンスを設置するのがおすすめです。

暑い日や換気がしたい時でも、窓を開けっ放しにするのは絶対にNGですよ。自分で網戸を開けてしまう猫もいるので、網戸にもストッパーやフェンスを設置して十分な対策をしてくださいね。これらの脱走対策は、窓やベランダからの落下予防としても効果的です。

脱走対策の他には、高いところから落下した場合のケガ予防が必要です。キャットタワーや棚の上から落ちた際にも上手に着地ができるように、床には滑りにくい素材のカーペットなどを敷いておきましょう。

運動不足の猫や肥満気味の猫、足の短い猫種は、特に高いところからの着地を失敗しやすい傾向があります。万が一落ちてしまってもケガをしないように、キャットタワーは低めのものを選ぶとよいかもしれませんね。

猫にとって上下運動をすることは大切なので、高いところに登ること自体を禁止にするのではなく、安全に遊べる環境と愛猫に適した高さのキャットタワーを用意してあげましょう。

まとめ

包帯を巻いてもらう猫

猫のケガで特に多いのは、ひっかき傷や噛み傷などの外傷、捻挫、骨折の3種類だといわれています。これらのケガの主な原因である猫同士のケンカ、高いところからの落下、交通事故を防ぐために、飼い主さんは十分な対策をしてくださいね。

他にも飼い主さんがうっかり愛猫の足を踏んでしまったり、ドアを閉める時に愛猫の体が挟まってしまったりしてケガをするケースがあるので注意が必要です。基本的に猫は、外に出ないことでケガのリスクを大幅に減らせますが、家の中にもケガのリスクがあることを忘れずに、安全に気をつけて過ごしましょう。

もしも愛猫がケガをしてしまった場合は、すぐに動物病院に連れて行ってください。必要な応急処置がわかる場合のみ、応急処置をしてから病院に向かいましょう。飼い主さんの判断で間違った処置をすると、かえってケガが悪化してしまう危険性があるので、どうしたらよいかわからない場合は獣医さんに任せたほうが安心ですよ。

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