猫の「激怒症候群」の特徴
穏やかな猫が突然攻撃的になってしまうことがあるようです。一般的に猫が攻撃的になる理由は多くありますが、その理由が全く見つからず、攻撃的になるような体の異常も何もない場合、「激怒症候群」だと言われることがあります。
「激怒症候群」の特徴とは、どのようなものなのでしょうか。
1.あるとき突然攻撃が始まる
猫があるとき突然攻撃をしてきます。猫の性格に関係がなく、普段は穏やかな猫が発症することもあります。
2.攻撃行動が始まるきっかけがない
猫が攻撃するのには、通常は恐怖や不快、痛みなどの原因があり、攻撃行動を始めるきっかけがあります。しかし、激怒症候群の場合は原因が分からず、攻撃行動が始まるきっかけも見当たりません。
きっかけがないということは、猫の近くにいる人や同居ペットは攻撃が始まることを察知することができないので、注意が必要です。
3.眠りが浅いときに起こりやすい
猫がウトウトしているときや、寝起きなどの眠りが浅いときに攻撃行動が起こりやすいと言われているそうです。
4.威嚇なしに攻撃をしてくる
猫は通常、攻撃をする前に「シャー」「ウー」と鳴いたりポーズで威嚇をします。
激怒症候群の場合は威嚇をすることなく急に攻撃します。
猫の「激怒症候群」の考えられる原因
犬の激怒症候群の研究では、『脳神経系の病気である「てんかん」の発作の一形態として起きている可能性がある』と言われています。
犬でもまだ不明なことが多い激怒症候群ですが、猫では最近になって、「犬の激怒症候群と同じかもしれない原因不明の突然の攻撃行動がある」と考えられるようになったばかりです。
猫の攻撃行動には様々な原因が考えられ、また攻撃的な性格になる病気もあります。そのような可能性が全て排除された場合に激怒症候群だと言われ、猫の激怒症候群も犬と同様に、「てんかん」が関係している場合があるのではないかと考えられています。
てんかんは、脳から送られる電気信号の異常で発作が起きます。てんかんの発作によって、猫が突然攻撃行動をする可能性があると考えられています。
猫の攻撃行動への対処法
では、ここからは、猫の攻撃行動への対処法について解説します。
刺激しない
猫が攻撃的になると心配になったり、なだめようとしたりして猫を触ろうとしたくなるかもしれません。
しかし、猫がパニックになっているときに近づく、手を伸ばす、声をかけるなどをすると、それが刺激となってさらに攻撃してくる危険があります。
目を合わせない、距離をとる、静かにするなどして、猫をそっとしておく必要があります。
可能であれば、猫が隠れられる箱を用意してあげたり頭からすっぽりタオルをかぶせるなどして、猫ができるだけ早く落ち着けるようにしてあげましょう。これは、猫だけではなく飼い主さんの安全を守るためにも必要です。
原因を探して除去する
猫が落ち着いたら、猫が攻撃をしてきた原因がないか探したり考えたりします。
突然の大きな音や同居動物とのトラブル、体の痛み、落下事故などがなかったか、普段から抱えているようなストレスはないか、生活環境を見直してみましょう。猫が攻撃してくる原因になったかもしれないと思うことがあれば、それをなくしましょう。
動物病院を受診する
攻撃行動の原因が分からなかったり、攻撃してくることをやめさせることができない場合は、動物病院を受診しましょう。問題行動の治療を専門とする獣医師を紹介してもらう必要がある場合もあります。
飼育環境、接し方、猫が攻撃的になったときの様子などを問診したり検査をしたりして、猫の生活環境や体に攻撃行動の原因となるものがないか、調べられます。攻撃をしてきた時間やその前後のできごとなどを記録しておくと、診断に役立ちます。
攻撃行動の原因が分かれば、それに対する生活指導や治療が行われます。原因が特定されず激怒症候群ではないかと考えられる場合でも、薬によって改善される可能性があります。
抗てんかん薬やセロトニン再取り込み阻害薬などが使われるようです。このような薬が効く場合、定期的に受診しながら一生に渡って薬を飲むことが多いようです。
まとめ
猫が突然攻撃してくる激怒症候群は、前触れ無く発症します。猫が攻撃をするきっかけや攻撃する前の威嚇行動がないため、飼い主さんでも防御が難しい場合があります。
猫の激怒症候群はまだわからないことが多いです。また、猫の攻撃行動には多くの原因が考えられます。猫の攻撃行動に困った場合は動物病院を受診しましょう。