チェリーアイって?
人間にはありませんが、多くの哺乳類、鳥類、爬虫類などには、第3の瞼と呼ばれる第三眼瞼(だいさんがんけん)があります。第三眼瞼は瞬膜とも言い、通常は目頭の内側に収納されているのでほとんど見えません。
しかし、第三眼瞼の裏にある腺が外に飛び出してしまうことがあります。多くの場合、赤く腫れて飛び出しており、これが「チェリーアイ」と呼ばれるものです。
チェリーアイは正式には「第三眼瞼腺脱出」と言いますが、外に盛り上がって赤くなっている様子がさくらんぼに似ていることからチェリーアイと呼ばれているのです。
チェリーアイは、犬ではよく見られる病気ですが、猫では稀です。治療せずにいると重症化したり目の他の病気を引き起こすこともあるため、発症した場合は早く治療してあげることが大切です。
チェリーアイが軽度の場合は押し戻したり、点眼薬を使用して治療します。飼い主さんが押し戻して元に戻ることもありますが、自己判断で行うことにはリスクが伴います。必ず動物病院で診察と治療をしてもらって下さい。チェリーアイの治療には、手術が必要になることもよくあります。
それでは次に、チェリーアイの原因3つについて解説していきます。
1.生まれつきのもの
もともと第三眼瞼腺を固定している組織が弱かったり、欠損していることがあります。その場合、第三眼瞼腺が反転しやすいためにチェリーアイを発症しやすくなるのです。
先天的なチェリーアイは、2歳以下の若い猫が発症しやすいと言われています。バーミーズやペルシャでチェリーアイの発症率が高かったとする研究があるそうです。
2.傷や炎症によるもの
瞬膜そのものを傷つけたり、目に異常があって猫が気にして目をかいたりして瞬膜に傷ができたり、結膜炎が悪化したりして、チェリーアイになることがあります。
外に行く猫では、猫同士で喧嘩をした際に傷ができて、チェリーアイになってしまうことがあります。
3.腫瘍によるもの
若くない猫でチェリーアイが見られた時、腫瘍の可能性を考えることもあります。腫瘍によって第三眼瞼腺の組織が異常に増殖するとチェリーアイになることがあります。また、第三眼瞼やその付近にできた腫瘍がチェリーアイのように見えることもあります。
腫瘍ができている場合は、悪性である可能性も考えられます。早期発見・早期治療が大切です。特に高齢になると腫瘍ができやすくなるため、日頃からスキンシップを兼ねての健康チェックを行いましょう。
まとめ
チェリーアイは猫では稀ですが、適切な治療が必要な病気です。手術が必要になることも多くあります。チェリーアイの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
傷による炎症や腫瘍がチェリーアイを引き起こすこともあります。日頃から猫の目に異常がないか観察することも大切です。