猫との『同行避難』はできる?4つの備えと必要な知識も

猫との『同行避難』はできる?4つの備えと必要な知識も

災害時など避難をしなければならない状況に陥った際に、愛猫と離れずに避難する「同行避難」をご存知でしょうか。自治体によって「同行避難」の可否が異なりますし、可能だったとしても動物嫌いな人もいる状況下で、守るべきマナーもあります。猫の飼い主として、いざというときに慌てないようにきちんと準備しておきましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

「同行避難」とは?

避難所でご飯を食べる猫

「同行避難」は、災害時にペットと一緒に避難することを意味します。しかし、愛猫と同じスペースに寝泊まり出来る、という意味ではありません。

ペットだけが一同に集められた専用スペースにて過ごす場合や、避難所によってはペット受け入れ不可の場合もあります。また、避難所の都合によっては、「同行避難」の詳細については異なってくる可能性があるため注意が必要です。

また、同伴避難もほぼ同行避難と同じ意味です。同室避難とは大きな違いがあります。

このように、「同行避難」といっても自治体によってその内容は異なりますので、自分の住む自治体ではどのような状況なのか、事前にきちんと把握しておく必要があります。

そこで今回は、猫との「同行避難」について備えておくべきポイントを解説します。災害が起きてからでは間に合いませんので、安全なうちに準備しておきましょう。

1.事前に自治体に確認をする

避難所の様子

そもそも、同行避難が出来る・出来ないは、自治体や避難所の運営者によって異なります。また冒頭に書きましたように、もし同行避難が可能な地域だったとしても、どのように避難できるかは自治体によって異なります。

ペットと共に避難所に入ることができない人達が車中泊をすることになり、エコノミー症候群になってしまうケースが多発しました。そのため、日本の方針はペットとの同行避難をガイドラインとして示しています。

しかし、実際は自治体によって状況が異なるため、各自で自分の住むエリアの同行避難の可否の確認をしなくてはいけません。

2.避難用具を揃えておく

避難用具のイラスト

愛猫がストレスを溜めないよう、衣食住に関わる準備を常日頃からしておきましょう。

ドライフードや缶詰などの食べ物、持病への薬、飲料水は約ひと月分必要です。その他、ケージ、トイレ用品、使い慣れたベッドなどを準備しておきます。

愛猫が生活するために必要な物でストレスを軽減すると考えれば、準備すべきものが自ずと想像できますよね。

避難先でも猫の慣れている空間を演出するために、ケージを布や段ボールで覆います。排泄用品は、簡易トイレ・いつも使う砂を用意します。その他、猫の匂いの付いたタオルやベッドがあると猫が安心します。

キャリーケースは避難先で生活のベースになる場所。猫に安心して入ってもらう必要があります。

キャリーケースに慣れるためにも、日頃から目に入る場所に置いておき、自由に出入りできるようにしておくと良いでしょう。キャリーケースの中でおやつをあげるなど、前向きな印象を与えておくのも効果的です。

3.避難先でのマナーを守れるような事前準備をしておく

ケージ内のイカ耳猫

もし猫の同行避難が可能な場合でも、避難先でのマナーの悪さで結果的に「不可」となってしまうケースもあるようです。

災害時の避難所には、動物の苦手な人は予想以上に多くいる、と考えておくことが大切です。嫌がられる事として、「動物特有のニオイ」「排泄物の臭い」「飛び散る抜け毛」「長く続く鳴き声」「引っ掻く噛み付くなどの攻撃」「脱走」などがあります。

水を使わないシャンプーを使う、排泄物を密閉袋に入れる、ブラッシングをまめにする、ハーネスを装着する、ペットと人間の情報開示メモを貼っておく、マイクロチップを入れるなど、出来る限りの努力が必要です。

4.「飼い主の会」を作る

男性と女性に抱かれる猫

事前に同じ避難所を使う飼い主の会を作っておくことで、一致団結した大きな力となります。

その会の代表者がいれば、いざという時に避難所運営者との話し合いもスムーズに進みます。また、役割分担を決めることで避難所の掃除も進みます。そして巡回する獣医師に的確なペット数や必要な情報を提示することができます。避難所から離れる際も、他の飼い主に愛猫のお世話をお願いすることができます。

犬仲間とは散歩の途中で出会うことができますが、猫は室内から出ることがなかなかありません。日頃から、積極的に猫の飼い主と関わりを持つことも大切です。

まとめ

猫を抱いて避難する女性

猫との『同行避難』はできる?4つの備えと必要な知識もについてお伝えいたしました。

「災害時」という非日常をイメージすることはなかなか難しいですよね。

しかし、いざという時に慌てたり孤独になったりしてしまわないためにも、日頃から予行演習をし、入念な準備をしておくことが大切なのです。

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