猫の「キャリー移動」で起こりやすい事故とは
猫の通院や移動に欠かせないキャリー。猫の生活必需品ともいえる存在なのですが、扱い方に注意しないと、思わぬアクシデントに見舞われます。
ここでは、猫の「キャリー移動」で起きる事故の例を紹介いたします。
1.脱走
最も危険でハイリスクなのが脱走です。家の中ならまだしも、動物病院や外で起きてしまうと2次被害(交通事故や迷子)に繋がってしまいます。
猫をキャリーに入れた後は、必ずロックされていることを確認してから移動してください。ファスナー式の場合は、しっかり閉じているかチェックしましょう。ファスナーをこじ開けられる猫もいるので、バックルなどで二重ロックできる仕組みだと安心です。
2.収納時の怪我
収納時は慌ててしまうことが多く、蓋を閉じる際にしっぽを挟んでしまったり、ファスナーに毛が絡んでしまって痛い思いをさせてしまうことがあります。
3.パニックによる怪我
パニックによる怪我にも注意が必要です。キャリーを見ただけで暴れてしまう猫も多く、パニックになって部屋中を駆け回ってしまうことがあります。
その過程で体をぶつけたり、ジャンプに失敗したりして怪我をすることがあります。
どちらの怪我でもいえることですが、キャリーに対するイメージを変えることが予防策に繋がるでしょう。
4.キャリーの転倒
移動時や待機中に、キャリーを不安定な場所に置いていませんか。これでは車の揺れや、猫が動いたことでキャリーが転倒する恐れがあります。
車の中ではシートベルトで固定する、待機する際は低くて安定感のある場所に置くなどを心がけてください。
猫に「キャリーは楽しい!」と思わせる方法
大抵の場合、キャリーが登場するのは通院直前ではないでしょうか。この特別感によって、「嫌な場所に行く時に使うもの」というネガティブな印象を与えてしまいます。
そこでここでは、「キャリーは楽しい♪」と猫に感じてもらえる方法を紹介いたします。
普段から猫の見える場所に置いておく
少々邪魔になるかもしれませんが、できるだけ猫の見える場所に置いておくと良いでしょう。
繊細で環境の変化を嫌う猫に、「特別感」をなくし、日常的な環境の一部、いつもあるものとして慣れてもらうことが大切です。
隠れ家や寝床にしてもらう
蓋を開けたままの状態にできるものは、常に開けておきましょう。日頃から隠れ家にしたり、寝床として使ってもらうことで、特別感をなくすのです。
積極的におもちゃとして利用する
飼い主さんも一緒になって、積極的に遊ぶ方向に持っていくのも良いでしょう。前方と後方が開くタイプのキャリーであれば、トンネル型のおもちゃの代用になります。
おやつやおもちゃで誘導し、キャリーを通過するように仕向けてみてください。この遊びはキャリーに対するイメージを良くするだけではなく、運動不足の解消にもなるので一石二鳥です。
遊びの延長でキャリーに入るとおやつがもらえる、というトレーニングをしてみても良いかもしれません。
まとめ
キャリーは猫が入るものとして、設計的には安全に作られています。しかしながら、その利用の際には、シチュエーション的に嫌なイメージを猫に与えやすく、その結果思わぬ事故や怪我に繋がることがあります。
使用時は、「蓋が完全に閉まっていることを確認する」「しっぽや毛を挟まないように注意する」「パニック時の怪我に気をつける」などの配慮が大切です。
そして何よりも、特別感をなくすことが重要です。日頃から見える場所に置いておき、遊び道具の一環として活用していきましょう。
キャリーを、「嫌なもの・怖いもの」から「楽しいもの・落ち着く場所」へと変えることができれば、より安全に楽しく移動ができるようになります。