猫の不治の病『腎臓病』の症状4つ!「急性」と「慢性」の違いとは

猫の不治の病『腎臓病』の症状4つ!「急性」と「慢性」の違いとは

猫は腎臓病を発症しやすく、腎不全により命を奪われることも多いです。腎臓病の主な症状や、急性腎不全と慢性腎臓病の違いを解説します。猫にとって天敵とも呼べる腎臓病に関する知識を深め、健康維持や病気の早期発見に役立てていただければ幸いです。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫の腎臓病の症状

トイレ中の猫

1.尿の量や色の異常

腎臓病になった猫は腎臓の機能が低下しているため、尿の量や色に異常が出ます。尿が出なかったり明らかに量が少なかったりする場合は、尿石症の可能性もありますがぐったりしている場合は急性腎不全の可能性もあります。逆に水を飲む量が増えて色の薄い尿がたくさん出ている場合は、慢性腎臓病の疑いがあります。

愛猫の尿に異常が見られた時は腎臓が悪くなっているサインだと思って、すぐに動物病院で診察を受けましょう。尿の量や回数などを獣医師に伝えると、診察に役立ちます。

2.元気がない

腎臓病になると、猫はいつものような元気がなくなります。特に突然ぐったりしたという場合は、急性腎不全の可能性があるので至急対応が必要です。

ぐったりしているほどではないけれど以前よりも活動量が低下した場合や、寝ている時間が多くなった場合には、慢性腎臓病を疑いましょう。病気は早期発見が大切なので、明らかに体調が悪そうというわけではなくても、「なんとなく元気がないな」と思った時点で一度検査を受けておくことをおすすめします。

3.食欲の低下

他のあらゆる病気と同じく、腎臓病になった時も食欲が低下しやすいです。慢性腎臓病の場合は、長期にわたって食欲低下がみられることがあるため、猫の体重が減ってしまうことも多いです。愛猫が十分にごはんを食べられず痩せてきた時や、食べても吐いてしまう時には腎臓病を疑いましょう。

4.下痢・嘔吐

下痢や嘔吐も腎臓病の症状のひとつです。下痢と嘔吐を繰り返すことで、脱水症状を引き起こしてしまうリスクもあります。腎機能が低下していると、体に必要な水分まで排尿時に排出してしまう傾向があり、ただでさえ脱水になりやすいので注意が必要です。

「急性腎不全」と「慢性腎臓病」はどう違うの?

獣医師と猫

腎臓病には、「急性」と「慢性」の2種類があります。

急性腎不全は急激に腎臓の機能が低下してしまう病気で、すぐに適切な治療を受けさせないと猫の命に関わるケースも少なくありません。急性腎不全の原因としては感染症、薬物やユリなどによる中毒、尿道閉塞などがあげられます。

愛猫の尿の量が明らかに減っているなど、急性腎不全が疑われる症状が見られた時は、とにかく急いで動物病院に連れて行きましょう。様子を見ているうちに、手遅れになることがないよう注意してください。早い段階で治療ができれば、回復して長生きできる可能性もあります。

一方、慢性腎臓病は長い期間をかけて、徐々に腎臓の機能が低下していく病気です。初期段階では目立った症状が出ないため病気に気づきにくく、病状が進行してからようやく気づくというケースが多いといわれています。

慢性腎不全になる原因ははっきりとわかっていないうえに、一度悪くなってしまった腎臓は治療をしても回復しません。ただし治療を受けることで病気の進行を遅らせて、猫の負担を軽くしたり寿命を延ばしたりすることは可能です。愛猫が慢性腎臓病になった時は、腎臓病と闘いながら、少しでも長く幸せに生きてもらうことを目指しましょう。

まとめ

病院で診察を受ける猫

猫の腎臓病は、症状に早く気づいて治療を受けることが重要です。腎臓の機能に問題があれば尿に出やすいので、愛猫の尿の量や色のチェックを習慣にするとよいでしょう。

また猫で特に発症率が高く、初期症状では気づきにくい慢性腎臓病の対策として、年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。腎臓を悪くしやすい7歳以上の猫は、年に2回受けたいところです。

愛猫がいつでも水を飲めるよう、新鮮な水を複数の場所に用意しておいてあげてください。食事は総合栄養食を選ぶと、猫にとってバランスのよい食事になります。トッピングやおやつで、塩分を多く摂取してしまわないように気をつけましょう。

愛猫が若いうちから腎臓に負担のかからない生活を心がけて、少しでも腎臓病のリスクを減らせるとよいですね。

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