猫は自分の感情を行動で表す
人間以外の動物はとても正直で、猫も例外ではありません。猫の行動を見ていれば、誰のことを信頼し、誰のことを嫌っているのかが分かります。なぜなら猫は、嫌っている人には近寄らず、信頼している人には、嫌っている人には絶対に見せない行動を見せてくれるからです。
よく「猫が大好きなのに、なぜか嫌われてしまう」という悩みを耳にしますが、それは猫好きな気持ちが裏目に出て、嫌われてしまうような行動をしているからです。
近寄っていくと猫が逃げてしまうのは、警戒されているからです。ただ逃げられるだけではなく、シャーッと威嚇されたり猫パンチをされてしまうという方は、警戒を通り越して嫌われてしまっている可能性があります。
まずは、猫が嫌っている人には絶対にしない行動とその理由を知りましょう。そうすれば、猫がどのような人のことを信頼してくれるのかが分かるでしょう。その上で、猫から信頼されるためのポイントを整理することで、猫への適切な接し方が見えてくるはずです。
猫が好きなのに、仲良くしようとするといつも嫌われてしまうとお悩みの方は、この記事を参考に猫への接し方を工夫してみてください。一度信頼を失ってしまった場合、信頼を取り戻すには時間がかかりますが、継続することできっと信頼を取り戻せることでしょう。
猫が「嫌っている人」には絶対しない行動
ではここからは、猫が嫌っている人には絶対しない行動について解説いたします。
1.帰宅すると迎えに来て体を擦り寄せてくる
帰宅時に愛猫が玄関で出迎えてくれて、足元などに体や頭を擦り寄せてくるような場合は、信頼され、とても好きだと思われているサインです。そのように迎えてくれる理由は、早くご飯がもらいたいからかもしれません。しかしそれも、ごはんがもらえると信頼しているからこその行動です。
体や頭を擦り寄せてくる理由は、外でつけてきた知らないニオイを消して、自分のニオイにつけかえたいからです。ニオイは猫にとってとても重要な情報で、あなたに自分のニオイをつけるということは、あなたを独占したいという気持ちの表れなのだと考えられます。
2.何かをしていると邪魔をしてくる
あなたの気持ちが猫から離れていて、何か別のことに熱中している時に邪魔をしに来ることがあれば、それは猫があなたのことをとても好きで、自分に関心を寄せて欲しいというサインです。
猫は、自分が何かに熱中している時に構われることをとても嫌います。しかし、自分に関心が向いていない時間が続くと不安になり、自分に関心を向けようと思うようです。積極的に近づいて行くよりも、猫から近づいて来た時に応える方が、友好的な関係を築きやすいのです。
3.体に乗ってくる
寝ている時にお腹の上に乗ってきたり、座っていると膝の上に乗ってきたり、立っている時には肩の上に飛び乗ってきたり…。このように猫があなたの体に乗ってくるようになったら、それは猫から信頼され、好かれている証です。
猫は孤独な動物だといわれていますが、人と一緒に暮らしている猫には飼い主さんという保護者がいるため、いつまで経っても子猫の気分が抜けないところがあります。そのため、飼い主さんのことを母猫のように信頼すると、いつも一緒にいて体温を感じていたいと思うのです。
また、「自分のことを振り落とすようなことは絶対ない」と信頼しきっているからこそ、乗ってくるのだともいえるでしょう。
4.無防備な寝姿を見せる
猫は優秀なハンターであると同時に、自分も天敵から狙われる存在です。そのため常に警戒し、いつでも逃げ出せるような体勢で過ごします。眠っている時は、なおさらです。
しかし、あなたの目の前で無防備に体をだらんと伸ばしたり、お腹を見せたりした姿で眠っている場合は、あなたのことを心から信頼しているというサインです。あなたが寝ている猫に対して危害を加えないと信じているからこその寝姿です。
5.寝ていると布団に入ってくる
あなたが眠っている布団に入ってきて一緒に寝るようになったら、完全にあなたのことを信頼しているというサインです。特に冬などの寒い時期は、猫も暖かい場所で眠りたいはずです。
それと同時に、絶対に危害を加えられない安全な場所でなければ眠りません。
ただし、一緒の布団で眠ってくれないからといって、あなたの事を信頼していないと思うのは早計です。なぜなら、単にあなたの寝相が悪いため、あなたに悪気はなくても猫にとっては危険だということを知っているのかもしれないからです。
猫から嫌われずに信頼されるためのポイント
ご紹介してきた猫の行動から、嫌われずに信頼されるために大切なポイントをまとめると、下記のようになるでしょう。
- お世話をきちんと行う
- 猫の気持ちを優先する
- 体を密着するようなコミュニケーションを猫が望む場合、積極的に受け入れる
- 痛い思いをさせない
あなたに悪意がなくても、一度猫からの信頼を失って「嫌っている人」認定されてしまうと、その信頼を取り戻すのは非常に大変です。
これらのポイントを常に意識して、信頼を失う行動を取らないように注意しましょう。
なお初対面の猫に信頼されるには、猫の方から近づいてくるまでじっと待つというのが確実な方法だということを、覚えておきましょう。
まとめ
猫は、基本的に臆病で警戒心の強い動物です。そして、嗅覚や聴覚が発達しているため、視覚情報よりもニオイや音に対して敏感に反応します。
さらに、痛い思いをするのはもちろん、突然の大きな物音などに怯えますが、自分やいつものあなたのニオイに安心感を覚えますし、お世話をしてくれる人のことは信頼していくようになります。
猫を怯えさせることなく、あくまでも猫ファーストで猫のタイミングに合わせて上手に接することで、猫からの信頼を勝ち取ることは不可能ではありません。ぜひ諦めずにトライしてみてください。