猫の『耳ダニ』で起きる症状4つ!

猫の『耳ダニ』で起きる症状4つ!

猫の耳の中が汚れているとき、実はただの汚れではないかもしれません。「耳ダニ」が寄生している可能性があります。その場合、どのような症状が出るのでしょうか?また、耳ダニだと分かったときは、どうしたらよいのでしょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.かゆみ

耳をかく猫

耳ダニにかかると強烈なかゆみが発生します。そのため、猫は気にしてしきりに耳を掻いたり、頭を振ったりするのです。そのため、もし愛猫が耳ダニに感染していたら、飼い主さんは気がつきやすいでしょう。

ただ耳ダニは、室内飼いで動物の出入りがない場合は発生しません。すでに耳ダニを持っている犬や猫との接触で感染しますので、愛猫が外へ出ず、外に散歩に出る犬を飼っていなく、新しく飼い始めた猫もいない場合には感染の機会はありません。

2.黒い耳垢

耳掃除

耳ダニの特徴的な症状として挙げられるのが、黒い耳垢です。耳の中に大量に付くため、この症状も飼い主さんが気がつきやすいでしょう。

筆者が今の愛猫を保護したときも耳ダニが寄生しており、耳の中が耳垢で真っ黒になっていました。動物病院で治療してもらったらすぐによくなりましたので、早めの受診がオススメです。

耳ダニが寄生している場合、耳の中を掃除すると真っ黒、もしくは赤黒い耳垢がたくさん取れますが、耳垢を取り除いただけでは耳ダニはいなくなりません。しっかりと、獣医師による治療を受けさせてあげましょう。

3.臭い

猫の耳

通常であれば、猫の耳からは嫌な臭いはしません。耳の近くでにおいを嗅いだらかすかな臭いはするとしても、気にならない程度でしょう。

ですが耳ダニに感染すると、明らかに臭います。耳の中が真っ黒になっている上に、きついすっぱいような臭いがしていたら、すぐに動物病院を受診してください。耳ダニが寄生している可能性がかなり高いです。

保護した猫は、耳ダニに感染している場合がよくあります。外から保護した猫は、耳の中もよくチェックしてあげましょう。

4.炎症

大人しい猫

耳ダニに感染するとかゆみが出ると前述しましたが、そのせいで猫が耳を掻きむしると、耳介や耳周囲で皮膚炎を起こしたり外耳炎を起こしてしまう場合があります。引っ掻き傷から細菌が入り化膿することもあるでしょう。

こうなると痒みに加えて痛みが出てくるため、飼い主さんが触ろうとすると嫌がったり、逃げたりするようになることが増えるでしょう。

耳ダニを疑ったら?

動物病院

以上のような症状で耳ダニへの感染が疑われる場合はまず、動物病院を受診しましょう。適切な治療を受ければ、耳ダニは完全に治すことができます。

耳ダニは他の犬猫にうつるものでもあり、人にも一時的に寄生することがありますので、現在症状がある猫の治療をするだけではなく耳ダニをひろげないためにも早い診断と治療が必要です。

また、耳に痒みを起こす病気には外耳炎やアレルギー性疾患などの他の病気もあります。正しい診断と治療を行うためにも動物病院の受診が必要です。

もし耳ダニに感染しているのに放置してしまうと、かゆみが原因でしょっちゅう頭を振ったり掻いたりすることによって、前述の皮膚炎を起こすだけではなく耳介に血液が溜まってしまう「耳血腫」という状態になる可能性もあります。

耳ダニから更なる病気を起こさせないためにも、痒みでつらい耳ダニを早く治すためにも、耳ダニを疑ったら早めに動物病院に連れていきましょう。

まとめ

耳

強いかゆみのため、猫が辛い思いをしてしまう耳ダニ。痒みの他にも、大量の黒い耳垢や独特の強い臭いという特徴的な症状がよく見られます。もし愛猫が感染してしまったら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。駆虫薬を何回か使って治すことができます。

愛猫が耳ダニを持っている可能性のある犬や猫と接触しないようにすることが予防になりますが、感染リスクがある場合には耳ダニにも効果のあるノミやダニの予防薬を定期的に使用すると良いでしょう。

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