1.適度な運動で体力をコントロール
人間は日中に適度な疲労感があることで、夜の睡眠導入がスムーズになりますよね。猫も同じで、活動量が睡眠に関係します。夜に猫を寝かしたいのなら、昼間に適度な運動をさせてあげるとよいでしょう。
しかし猫は「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」といって、明け方と夕方に活動的になる動物。日中の明るい時間帯はのんびりしていることが多いのです。昼間に遊ばせるときは、カーテンを閉めて部屋の明るさを調節すると、遊びたくなる気持ちを誘発できますよ。
ただし、遊びすぎは厳禁です。疲れすぎがストレスに直結すると睡眠サイクルも乱れてしまうため、1回の遊びは15分以内になるよう心掛けてくださいね。
なお、飼い主さんが夜寝る時間にあわせて、就寝の1時間前に遊ばせるという方法もあります。毎日、夜に遊ぶことがルーティーンになると、遊び終わった後に大人しくなるサイクルができますよ。
2.食事の時間を調整する
人間もお腹が満たされると眠くなるように、猫も食後は眠くなります。満腹になった猫はとてもリラックス状態に入るので、寝かしつける方法として食事の時間を調整するも有効です。
ここで注意したいのが、食事と運動のタイミング。猫は狩猟本能をもつ動物なので、狩猟欲が高まるのは空腹時の方が多く、満腹のときはリラックスモードに入るため狩猟欲は控えめになります。食事を与えるタイミングとしては、遊び終わった後の方がよいでしょう。
もし、猫を夜に寝かしつけたいのなら、遊びを経て空腹を満たしてあげる流れがよさそうです。ただし、あまりにも遅い時間に食事を与えるのは逆効果。「夜遅くまで起きていると、良いことがある」と認識されないように注意しましょう。
3.いやしの猫マッサージ
猫にも、触れてもらうと気持ち良い場所があります。個体差はありますが、多くの猫は、自分で触れることのできない顔や頭の周りは心地よく感じるものです。
特に鼻筋から眉間の中心を通り、額に上って頭頂部になでていくと、猫はうっとり。リラックスのツボにも触れるので、そのまま目をつむる猫や、ゴロゴロと喉を鳴らす猫もいますね。
猫をいやすマッサージの基本は、やわらかくふれることです。マッサージといってもやさしくタッチする程度が力加減の目安ですので、人間の指圧のように指でギュギュウ押すのはやめましょう。
またマッサージは、猫に受け入れる様子があるときに行うのが鉄則です。イカ耳をしているときや、しっぽを小刻みにパタパタさせているときは、不安やイライラのサイン。逆効果になってしまうので猫の様子を観察してくださいね。
4.猫がリラックスする音楽を聞かせる
猫用のヒーリングミュージックがあるのをご存じでしょうか。これは猫をリラックスさせる目的に作られた音楽で、落ち着きのない猫や分離不安症など、猫のメンタルサポートとして使う人も多いものです。
たとえば、ポップミュージックやロックよりも、クラシックの方が猫はリラックス状態になることがわかっています。
猫がリラックスする音源はいろいろ探せるので、お留守番中や気が立っているときなどに試してみると良さそうです。
「寝かしつけ」に良くないタイミングとは
人間にも眠いときと眠る気になれないときがあるように、猫の寝かしつけにも、適さないタイミングがあります。
たとえば、猫が長く爪とぎをしているときや、グルーミングが長いときはNG。イライラやむしゃくしゃした心を整えるために、自分で精神の安定をはかっている最中かもしれません。かまうよりもそっとしておいてあげましょう。
また、家の中をドタバタと走り回ったり隠れて出てこないようなときも、寝かしつけのアプローチをするのは避けるべきでしょう。猫は自分の心の動きにそわない行動をストレスに感じる動物なので、せっかくの努力が逆効果となってしまいますよ。
猫を寝かしつけるときには、猫のきもちをくみ取るのも大切。普段から愛猫の様子を観察して、寝かしつけにベストなタイミングを見極めてくださいね。
まとめ
人間と猫は違う生き物ですが、眠りを誘う習慣は共感できるところがありますよね。
食事や運動の習慣にくわえ、「入眠儀式」を設けるのも試す価値はあります。たとえば、就寝前にはおもちゃを片付けたり、何もかまわない時間をつくったり、時間帯で猫ベッドを出すのも良さそうですよ。
猫が「そろそろ眠るんだな」と感じてもらえる雰囲気づくりをルーティーン化させるなどで、飼い主さんと猫の就寝ペースを整えてみてくださいね。