猫へのその行為『虐待』かも…5つのNG行動が招く結果とは

猫へのその行為『虐待』かも…5つのNG行動が招く結果とは

猫に暴力をふるったりわざと傷つけたりする虐待行為は、絶対に許されることではありません。気をつけなくてはならないのは、飼い主さんが虐待だと認識せずにしている行為が、猫にとっては虐待に値するケースがあるということです。猫にしてはいけないNG行為について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫への虐待になってしまうNG行為

山盛りのキャットフード

1.健康的ではない食生活をさせている

愛猫に食事を与えないことが虐待になるのはもちろんですが、栄養バランスを考慮せずに健康的とはいえない食生活をさせている場合も、一種の虐待になってしまいます。適量を超えたフードを与えて太らせたり、ごはんの代わりにおやつを与えたり、人間用の食べ物を与えたりするのはやめましょう。

猫は自分で食事の管理ができないので、毎日健康的な食事を用意するのは飼い主さんの務めです。食いしん坊な愛猫が喜ぶという理由で、大盛りのごはんや大量のおやつを与えている飼い主さんもいるかと思いますが、甘やかした結果として愛猫の寿命が縮んでしまうかもしれないことを忘れないでください。

2.しつけのために叩いたり怒鳴ったりする

しつけのためであれば、猫を叩いたり怒鳴ったりするのは仕方がないと思っている方もいるかもしれません。しかし怖がらせることで猫をしつけようとするのは、間違ったやり方です。猫が飼い主さんを怖がって信頼関係が壊れてしまうだけなので、叩いたり怒鳴ったりするのはやめましょう。

そもそも猫を叱らなくていいように、猫がイタズラをせずにすむ環境を整えることが大切です。家具で爪とぎをしないように愛猫が気に入ってくれる爪とぎを用意したり、物を落として壊されないように壊れやすいものは猫のいる部屋から撤去したり、飼い主さん側が配慮できることもあるはずです。

3.嫌がっているのにおしゃれをさせる

可愛い愛猫にはお洋服を着せたりリボンをつけたりしたくなるものですが、嫌がっている猫におしゃれをさせるのはよくありません。無理矢理おしゃれをさせると猫のストレスになりますし、服を着ているせいでグルーミングができない状態が続くとさらにストレスが大きくなってしまいます。

防寒対策や術後服、皮膚の病気などでお洋服を着用させることにはメリットがありますが、ただ飼い主さんが愛猫の可愛い姿を見たいというだけの理由なら、おしゃれを無理強いするのはやめましょう。

4.運動できる環境が整っていない

猫の健康維持のためには、適度な運動が欠かせません。運動できるスペースが確保されていなかったり、おもちゃを用意していなかったりするのはNGです。

室内飼いの猫は運動不足になりやすいので、上下運動ができるようにキャットタワーを設置するのがおすすめですよ。また愛猫から「一緒に遊ぼう!」というお誘いがあった時は、運動不足解消のチャンスなのでぜひ相手をしてあげてくださいね。

5.病院に連れて行かない

猫の体調不良が疑われる時は、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。愛猫が病院を怖がるから、忙しくて時間がないから、お金がかかるから…などの理由で病院に連れて行かなかった場合、病気や怪我を放置したことになるので虐待に値します。

またワクチン接種や健康診断も、愛猫の健康を守るために重要なことなので疎かにしないでくださいね。

猫に虐待に値する行為をするとどうなる?

元気がない猫

たとえ飼い主さんは虐待のつもりなどなくやっていることでも、猫の健康を害したりストレスの原因になったりする行動は虐待に値します。虐待行為は猫の心身の健康に悪影響を与え、寿命を縮めたり不幸にしたりするでしょう。

食事や運動習慣に問題がある場合に多いのは、猫が肥満になってしまうというケースです。肥満はあらゆる病気のリスクを高め、猫の寿命を縮めることに繋がります。また飼い主さんの接し方や生活環境が原因でストレスが溜まり、ストレスから体調を崩してしまうことも珍しくないので十分に注意してください。

そして適切な接し方や必要なお世話ができていないと、猫は飼い主さんに対して不信感を抱いてしまいます。生活を共にしている飼い主さんを信頼できないのは、猫にとってこのうえなく不幸なことです。愛猫から寄せられる信頼を裏切らないように気をつけたいですね。

まとめ

悲しそうな猫

猫に適した生活環境を整え、健康管理やお世話をするのは飼い主さんが果たすべき義務です。たとえ飼い主さんに虐待のつもりがなくても、これらの義務を怠ってしまった時点で愛猫を不幸にしているかもしれないことを反省しなくてはなりません。

普段の行動に「これは猫にとって虐待なのかも…」と思い当たるものがあれば、今すぐ行動を見直しましょう。これまでの自分を顧みて行動を変えられれば、もっと愛猫を幸せにできるはずですよ。

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