1.皮膚のトラブル
猫の皮膚トラブルの中でも、毛がちぎれてしまう代表的なものが「皮膚糸状菌症」です。これは特に長毛の猫や子猫・老猫に起きやすいと言われています。
「皮膚糸状菌症」は、他の猫や犬、人にも感染する可能性があるため、もし多頭飼いの家で1匹が発症してしまった場合は、完治するまでその子を他の猫から隔離したり、同居動物全員を治療したり、家の中の徹底的な掃除や消毒をする必要が出てきます。
症状の特徴としては、皮膚に赤みや湿疹、かさぶたが見られることがある他、糸状菌に感染した毛が根元からちぎれて毛が抜けたように見えます。頭部や四肢に症状が見られることが多いそうです。痒みはあることもないこともあります。
また、筆者宅の猫は数回ほど首を掻きむしって毛が脱けてしまったことがありました。これは病院にて「皮膚糸状菌症」ではなく首輪による「かぶれ」だと診断されたため、首輪をしないようにしたところそれ以降の発症はありませんでした。
首輪の素材に気を遣ってコットン100%のものだけを使用していたのですが、それでも皮膚が弱い子や体質に合わなかったりするとこういうことが起きる場合があるのです。
素材だけではなく、首輪をつけている時間やきつさなどによっても皮膚炎を起こしたり首輪がこすれて毛が抜けたりちぎれたりすることがあります。
2.退屈
「退屈が原因で毛がちぎれるなんて」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、することがなさすぎてそれが精神的なストレスとなり過剰に毛づくろいをする結果、体の一部の毛がちぎれてしまうことがあるのだそうです。
ざらざらとした舌で頻繁に舐める結果として毛が根元からちぎれるため、これも脱毛しているように見えます。小さな範囲で済む場合からお腹全体や腰全体などの広い範囲で毛がちぎれる場合までありますが、猫の口が届く範囲でのみ症状が見られるのが特徴です。
多頭飼いの場合は「他の猫と遊んでいたら問題ないのでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。しかし猫にとってはそれでは不十分なこともあります。
また、次の項目でご説明するように、「飼い主さんと遊びたいのに遊べない」といったストレスを抱えたり多頭飼いによるストレスによって毛がちぎれるほどに毛繕いをする時もあるそうです。
他の猫と遊んでいたとしても、飼い主さんも定期的に遊んであげたり、猫同士の関係性に問題がないかなどにも気を配る必要がありますね。
3.ストレス
猫が抱える「ストレス」にも様々な種類があり、先ほどご説明した「退屈」もストレスの一つです。
退屈以外のストレスには、多頭飼いを始めたばかりの時に「知らない子が家の中にいる」とストレスを感じる子もいますし、同居猫と折り合いが悪くそれがストレスとなったり、引っ越しをした時に「知らない環境」がストレスとなる子もいます。
猫は強いストレスを感じると気を紛らわせるために過剰な毛づくろいをしてしまうことがあり、それによって毛が根元からちぎれてしまうのです。
どの場合にも当てはまるのは「飼い主さんが日頃から愛猫の様子をチェックしておく必要がある」ことでしょう。
ストレスによる過剰な毛づくろいが疑われる場合、どんな時によく舐めているのか、何か生活環境に変化はなかったかなどの情報が診断に必要となります。
ストレスの原因を取り除くだけで過剰な毛づくろいがなくなることもありますし、薬を飲ませて精神的に落ち着かせないといけない場合もあります。
また、毛がちぎれたり抜けたりする原因には治療が必要な病気もありますので、毛がちぎれている部位や脱毛がある場合には、動物病院に相談することをおすすめします。
まとめ
猫の毛がちぎれてしまう場合、皮膚のトラブルや過剰な毛づくろいが主な原因として考えられます。
毎日十分に遊ばせたり運動させたりすることは、猫にストレスを抱えさせないために必要なことの一つです。筆者の猫たちはけっこうアピールが激しいので、遊び足りない場合には自分からおもちゃを運んできます。
また、部屋の模様替えをすると、始まった途端にテンションが上がって全員で爆走するのですが、それほど模様替えが大好きなようです。
しかしながら、当然そのような性格の猫ばかりではありません。飼い主さんは普段から愛猫の性格をしっかりと把握し、様々なニーズを満たしてあげましょう。
もし毛がちぎれてしまう程に過剰な毛づくろいをするようになってしまった時には、何が原因なのかを早急に突き止める必要があります。また病院で、病気がないかを確認してもらう必要もあります。
病気もストレスもなく愛猫が快適に暮らせるようにしてあげたいですね♡