愛猫の死後に自分を責めてしまう…そんな飼い主さんに試してほしい対処法

愛猫の死後に自分を責めてしまう…そんな飼い主さんに試してほしい対処法

大切な愛猫を失って罪悪感を抱く飼い主さんは珍しくありません。この記事では、自身もペットロス経験者であるペットロスカウンセラーが、自分を責めてしまう飼い主さんに試していただきたい対処法をご紹介します。

自分を責める飼い主さんは多い

人の手と猫

大切な愛猫を亡くすと、飼い主さんには不眠や拒食などの様々な症状が現れます。その症状に加えてあらゆる感情も沸き起こってくるのですが、その中でも代表的なのが「罪悪感」です。

きっとこの記事を読んでくださっている人の中にも、今まさに罪悪感に苛まれている飼い主さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。

  • 「私が飼い主でなければもっと長生きできたかもしれない…」
  • 「あの時、あの治療をしていれば死ななかったのかも…」

このように次から次へと後悔が押し寄せてきて、気づくと自分のせいにしてしまうんですよね。

私自身も過去にペットロスに陥ったことがあるのですが、その際にはやはり強い罪悪感を抱き「あの子が死んだのは私のせいだ」とずっと自分を責めていました。

しかし、これは私や皆さんだけではありません。ペットロスカウンセラーとして活動する筆者にご相談くださる飼い主さんのほとんどが、こうしてお空に旅立ったペットへ罪悪感を抱いています。

私の経験上、罪悪感のない飼い主さんのほうが珍しいくらい、本当に多いです。これは「もっとずっと一緒にいたかった」という飼い主さんの気持ちがそうさせるのかもしれません。

でも、だからと言って自分を責めてしまうのはとてもつらいですよね。愛猫へ強い罪悪感を抱いて自分を責めてしまう時、飼い主さんはどのように対処していけばいいのでしょうか?

自分を責めてしまう時の対処法

抱きかかえられてる猫

ここからは、ペットロスに陥って自分を責めてしまう時の対処法をご紹介します。しかし、これはあくまでも一例にすぎません。

今からご紹介する方法を参考にしながら、どの対処法が自分に合っているのかを見つけてみてくださいね。

対処法1:愛猫に手紙を書いてみる

この方法は実際のペットロスカウンセリングでも、私が飼い主のみなさんに試していただくものです。

「手紙は火葬の際にもう書きました」とおっしゃる飼い主さまも多いのですが、ここで大切なのは飼い主さまの正直な気持ちを書くことです。

私自身も経験があるのですが、火葬の際に書く手紙って「業者さんも読むかも…」とつい控えめにしてしまうんですよね。

「愛猫が安心して旅立てるように」と、悲しい気持ちやつらい気持ちを押さえつけて、無理に明るい内容を書く飼い主さんも多いはず。

この手紙は、第三者には読まれることのない“あなたとお空の猫ちゃんだけが読める手紙”です。

生前の楽しかったことや感謝の気持ちだけではなく、自分1人で抱えてしまっている罪悪感、愛猫への正直な思い、つらいことも悲しいこともすべて手紙に綴ってみましょう。

こうして気持ちを可視化することで、「自分」を客観的に見られるようになります。すると、とても強かった罪悪感が少し軽減される場合もあるんですよ。

対処法2:愛猫の気持ちを考えてみる

ペットロスで自分を責めてしまう人の中には「これは私への罰だ」とか「あの子は私を恨んでいるんだ」と話す方も多くおられます。

そこで、試していただきたいのが「愛猫の気持ちを考えてみる」ということです。先ほどのお手紙と一緒に行うと、さらに効果的ですよ。

  • 「あの子だったら、どんな返事をくれるかな?」
  • 「愛猫が自分に何かを伝えようとするなら、どんなことだろう?」
  • 「あの子は今、お空からこちらを見て何を想っている?」

お空に旅立った愛猫の気持ちを汲み取るつもりで考えてみましょう。

すると、どうでしょうか?愛猫は本当にあなたのことを責めていますか?たぶん、責めてはいませんよね。愛猫はきっと大好きなあなたを責めるような子ではなかったはずですから。

私自身も愛犬を失ってペットロスに陥った際、この方法を試してみました。いつも罪悪感でいっぱいで後を追って死ぬことすら考えていた私ですが、愛犬の気持ちを考えた時に「これはあの子の望んでいることではない」と気づいたんです。

それどころか、愛犬から「私はこんなに『ありがとう、幸せだったよ』って言っているのに、なんで気づかないのよ!」と怒られている気持ちにすらなりました。

きっと、お空に行った猫ちゃんのことは、飼い主であるみなさんが一番よくわかっているはずです。愛猫の気持ち、しっかり受け取ってあげてくださいね。

対処法3:「ごめんね」に「ありがとう」を追加

愛猫を失ってすぐは、どうしても飼い主さんは「死」という衝撃的な出来事にとらわれてしまいがちです。

「愛猫の終末期、自分にはもっとできることがあったのでは?」という気持ちを抱き、愛猫に対しても「ごめんね」という気持ちばかり溢れてきます。

でも、愛猫の人生にはたくさんの素敵な思い出があったはず。愛猫の死はたしかにつらくて仕方のない事実ですが、それが「すべて」ではありません。

なので、少しずつ生前の思い出にも目を向けていくことが飼い主さんには重要です。とはいえ、今は思い出すことすらも怖い感覚もよくわかります。

今は無理に愛猫との思い出に目を向けようとしなくても大丈夫ですよ。ただ、「ごめんね」と感じてしまった時には、そのあとに「ありがとう」を付け足してみましょう。

そうしていくことで徐々に、罪悪感でいっぱいの「ごめんね」から、これまでの幸せに目を向けた「ありがとう」に自然と気持ちをシフトしていくことができます。

これまでに愛猫がくれた幸せにたくさんの「ありがとう」を伝えてみてくださいね。

ペットロスは愛猫への愛情そのもの

ペットロスに陥り、自分を責めてしまう飼い主さんにおすすめの対処法をご紹介しました。

先ほども少しお話しましたが、飼い主さんの罪悪感は「もっと愛猫と一緒にいたかった」という心の現れだと、私は思っています。

ですので、その罪悪感は今すぐ無くせるものではないかと思いますし、ゼロにする必要もないのかもしれません。

ペットロスはつらくて仕方のないものですが、この行き場のない気持ちは愛猫への愛情そのものなんです。なので、無理に立ち直ろうとせず、今はゆっくりと向き合っていきましょう。

愛猫を想って悲しむ時間も大切にしてくださいね。

執筆者情報

写真
Rapport Ciel
代表・ペットロスカウンセラー・ペットケアアドバイザー
松永由美

以前はトリマーとして従事していたが、愛犬の死をきっかけにペットロスカウンセラーへと転身。現在では、Rapport Cielの代表として、ペットロスカウンセラーやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する様々な記事の執筆を行う。
著書「ペットロスで悩んだときに読んでほしい愛犬の死がきっかけで平凡主婦がペットロスカウンセラーとなって起業した話: 「意外」と驚かれるペットロスとの向き合い方 (ラポールブックス)

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