猫の『咳』は危険サイン?2つの原因と対処法

猫の『咳』は危険サイン?2つの原因と対処法

猫の咳は咳だと分かりにくいです。また、猫は咳をあまりしません。そんな猫が咳をしていた場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。猫が咳をしていた場合の対処法とあわせてご紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.異物を出すため

水を飲む猫

猫がごはんを食べているとき、水を飲んでいるとき、ホコリを吸ってしまったときなど、人と同じように猫もむせて咳をすることがあります。

異物を出せれば咳は止まり、問題はありません。

食べるスピードが早くて咳をしてしまう猫には、フードを少量ずつ与えたり、早食いできないように底に突起がある早食い防止用の食器を使用したりしましょう。

2.病気

聴診器を当てられる子猫

では、「病気」が猫の咳の原因の場合、どのような病気が考えられるのでしょうか。

猫風邪

ウイルスや細菌などに感染して鼻水、くしゃみ、咳など風邪に似た症状がでるので「猫風邪」と呼ばれています。口内炎や舌炎などの症状が出たり、子猫や老猫は重症化したりすることもある病気です。

症状が治まっても体内にウイルスが残り、体力低下やストレスを感じたときなどに再び症状が出ることがあります。

猫風邪はワクチンがあり、完全な予防はできませんが接種していれば軽症で済むことが期待できます。

気管支炎・肺炎

猫風邪をこじらせて気管支炎や肺炎になってしまうことがあります。空咳やあえぐような呼吸になり、重症化すると呼吸困難になることがあります。

進行が早いのですぐに動物病院を受診しましょう。猫風邪の症状が出たら早めに治療をすることが大切です。誤嚥や寄生虫、アレルギーが原因で肺炎になる場合もあります。

肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなり、心臓の働きが弱くなる病気です。血流が悪くなり血栓が後ろ足の血管に詰まって足が冷たくなったり麻痺したりします。

一刻も早い対処が必要な病気です。初期では症状がほぼなく、進行すると咳や呼吸が荒くなるなどの症状があらわれることもあります。

原因は不明で、根本的な治療法がなく、対症療法が中心となります。猫種によっては遺伝性疾患ですが、すべての猫で発症する可能性があります。

喘息

発作的な咳が出たり、呼吸困難を起こしたりします。タバコ、ハウスダスト、芳香剤などが関係していると考えられていますが、原因がわからないことが多いです。

原因となる物質がわかれば、その物質と猫が接触しないようにします。

猫の咳の対処法

猫を支える人とペンを持った人の手

猫は咳をすることが少ないです。咳をするときはお腹、首、顎を床につけるように低くし、少し舌を出す仕草をします。吐こうとしているように見えるかもしれません。

軽い咳ですぐ止まり、繰り返さないのであれば様子を見てもよいでしょう。猫の咳が続いている、咳以外に元気や食欲がないなどの症状があるときは動物病院を受診しましょう。猫が咳をするときの状況をメモしたり、猫が咳をしている様子を動画で撮影したりすると動物病院で症状を伝えやすくなります。

まとめ

寝そべる猫

猫が咳をするのは様々な原因が考えられます。咳が関係する病気はご紹介したもの以外にもあります。

猫はあまり咳をしない動物です。咳が続いていると感じたらその状況を記録して早めに動物病院を受診しましょう。

スポンサーリンク