猫の身体がびよーんと伸びるのはナゼ?
猫の身体が伸びるのは、身体の構造に理由があります。猫は非常に柔軟な身体の持ち主です。その柔軟性は、骨の数が人間よりも多いうえに関節の可動域が広いこと、そして骨と骨を繋ぐ靭帯や椎間板も柔軟であることによるものです。
普段は背骨が丸まって猫背になっていますが、伸びをした時には背骨の関節が約2倍の長さに伸びるため、驚くほど身体の長さが変わります。肉食動物である猫は腸が短いので内蔵を背骨で支える必要がなく、お腹を思い切り伸ばしても大丈夫なのだそうですよ。
また骨だけでなく、猫は筋肉や皮膚も柔らかいという特徴があります。骨の動きに合わせて、首やお腹周りにあるルーズスキンと呼ばれるたるんだ皮膚や、しなやかな筋肉も伸びるので身体が大きく伸び縮みするということですね。
猫の柔軟性に富んだ身体は、野生時代に敵から逃げるために狭い場所に隠れたり、高いところに登ったりすることに役立っていました。現代の飼い猫は敵に襲われる心配はありませんが、いざという時に俊敏に動けたり、高いところから落ちても上手く着地できたりするように、伸びをして身体の柔軟性を保つことが習慣になっているようです。
猫が伸びをする主なタイミング
1.リラックスしている時
猫はリラックスしている時に伸びをします。飼い主さんの前でびよーんと思い切り伸びをするのは、「あなたといると安心できるよ」「あなたを信頼しているよ」という気持ちの表われです。寝転びながら身体を伸ばす場合は、甘えたくて「構ってよ~」とアピールしているので、撫でたり一緒に遊んだりしてあげると喜びますよ。
2.眠たい時
猫は眠くなってきた時に、伸びをして身体をリラックスさせることで寝る前の準備をします。また飼い主さんに対して「もう眠いよ」「そろそろ寝ようよ」と、就寝を促すために伸びをする猫もいるようです。愛猫の安眠のために飼い主さんは静かに様子を見守り、寝床を整えてあげてくださいね。
3.気分転換がしたい時
人間が仕事の途中で伸びをしてリフレッシュするのと同じように、猫もびよーんと伸びをすることで気分転換をします。おもちゃで遊んでいる途中で飽きた時に、伸びをして気持ちを切り替えてから他のことをやり始めるといった姿が見られるでしょう。
4.ストレスを感じている時
猫はストレスを感じた時に、気持ちを落ち着けるために伸びをすることがあります。飼い主さんに叱られている途中で伸びをしたり、知らない人と会って不安や緊張を感じている時に伸びをしたりすることが多いです。
もしも愛猫がストレスを感じているせいで伸びをしているようなら、それ以上しつこく叱り続けない、安心して過ごせる部屋に連れて行ってあげるなど、ストレスの原因を取り除く努力をしましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:トム君♂ / 4歳 / メインクーン / 6.2kg
猫の身体がびよーんと長く伸びるのは、猫の柔軟性に富んだ身体に理由があります。身体が小さく他の肉食動物と比べると決して強いとはいえない猫ですが、柔軟な身体を持つことで、敵から逃げながら狩りを成功させて生き抜いてきたのですね。
猫が伸びをするタイミングは様々で、リラックスしている時もあればストレスや緊張を感じている時もあります。
伸びをするという行動だけを見て猫の気持ちを読み取るのは難しいですが、その時の状況や愛猫の表情から「リラックスして甘えているのかな?」「もしかして厳しく叱りすぎてストレスを感じているのかな?」と愛猫の気持ちを考えてあげてくださいね。