猫の高齢期はいつから?
猫では10歳を過ぎると、シニア期となります。その前後から老化のサインが見え始めるでしょう。シニアになっても、これまでと変わらず元気な子もいますが、多くの猫には様々な変化が現れます。
行動面では、遊ぶことが少なくなり、寝ている時間が多くなるでしょう。足腰が弱り、高い所に登れなくなったり、ジャンプができなくなってきます。見た目では、毛艶が悪くなり、毛玉ができやすくなるなどの変化が見られることが多いです。筋肉量が減って痩せたり、顔やお尻周りが汚れていることが多くなったと感じることもあるでしょう。
噛む力が衰えたり口内炎や歯肉炎のせいで、ドライフードが食べにくくなることもあります。猫のこれらの変化に合わせて、飼い主がケアをしてあげる必要があるのです。
1.高齢猫用のフードに切り替える
高齢になると、今まで食べていたフードが合わなくなることがあります。
猫のフードはライフステージや体調などに合わせて切り替える必要がありますが、高齢になった時も高齢猫専用のフードに替えてあげましょう。食べやすさはもちろん、消化しやすかったり、腎臓の負担が小さくなるよう配慮されています。また、高齢猫に不足することの多いタンパク質についても配慮されていたり抗酸化成分が強化されていたりします。
ただし、獣医師から療法食を与えるよう指示されている場合は、その指示に従って下さい。
2.移動を楽にする
足腰が弱った猫は、トイレに行くのも負担になることがあります。普段、よく過ごしている場所からトイレまでが遠いと排泄をしに行くのも億劫になってしまうでしょう。
トイレ自体も、縁が高いと入るのに苦労します。猫がいつでも排泄しやすいよう、猫のベッドの近くなどにもトイレを置いて、トイレの数を増やしてあげて下さい。
トイレに入りにくい場合は、縁が低いものに替えたり、トイレの前にスロープを設置するなどしてサポートしましょう。体を自由に動かしにくくなっている場合、トイレを大きくしてあげると使いやすくなるかもしれません。
ごはんや水も、猫の負担にならないような場所においてあげて下さいね。食器は高さのある方を猫が好む場合は、脚付の食器を利用するか、食器台の上に置いてあげるといいでしょう。
高齢猫にはより積極的に水を飲んでもらいたいものです。水を飲んでくれる機会が増えるよう、水飲み場も数を増やすといいでしょう。
3.ブラッシングをする
高齢になると、猫は自分でグルーミングをすることが少なくなります。飼い主がブラッシングをしてあげることで、被毛と皮膚の健康を保つことができます。
ブラッシングは、飼い主と猫との絆を深めるうえでも大切です。また、体に触れることで、異常があった場合に早く発見することができます。小さな変化にもすぐに気づいてあげられるでしょう。
長毛種では若い時から飼い主さんがブラッシングしてあげる必要がありますが、短毛種でも若い時からブラッシングに慣れさせましょう。高齢になってからいざ始めようとしても、嫌がられることがあります。
まとめ
猫が高齢になったら、生活を見直してみる必要があります。キャットタワーなども登れなくなり、低いものに替えてあげる必要が出てくることがあります。
まだ動けるうちは、適度に体を動かした方が筋力の低下を防げます。すべてに手を貸すのではなく、安全面に気をつけながら猫が自分でできることは見守ってあげたり、無理のない程度に一緒に遊んであげて下さい。
もし、気になることがあれば、動物病院を受診しましょう。はっきりとした変化がなくても、猫が不調を抱えていることがあります。猫が高齢に差しかかったら、これまで以上に猫の体を気にかけてあげて下さいね。