1.毛玉を吐き出しやすくなる
猫が草を食べる理由として、お腹にたまった毛玉を吐き出すためだと昔からいわれています。ある調査では、草を食べる猫の27%で草を食べた後によく吐くという結果が得られています。つまり、草を食べると吐きやすくなることはある程度事実のようですが、吐くために草を食べているとまでは言い切れません。
次の項目でご紹介するように、草食動物ではない動物でも草を食べることが知られており、猫にとっても草を食べることは自然な行動の一つと考えられます。
その行動の結果、こまめにグルーミングをして舐め取った毛を飲み込んでしまう猫では、胃内に貯まった毛を吐き出す場合もある、ということになります。飲み込んでしまった毛は、多くは便と一緒に排出されますが、それができないとお腹に留まり、胸やけや食欲不振を起こしたり、さらには胃や腸で通過障害を起こす恐れがあります。
猫が好んで食べる猫草は、細長くチクチクする形をしていて、食べると胃が刺激されて内容物を吐き出しやすくなります。草を食べて毛玉を吐くことがある猫では、それがもともとの目的ではないとしても、草を食べることがお腹の中に毛が貯まり過ぎるのを防いでくれているのかもしれません。
2.ストレス解消になる
類人猿や犬、オオカミなどの研究から、食べ物としてではなく草を食べる動物はたくさんいることが分かっており、その理由をお腹の中の寄生虫を早く便と一緒に排出するためだと考える説があります。
類人猿や犬、オオカミなどの研究から、食べ物としてではなく草を食べる動物はたくさんいることが分かっており、その理由はお腹の中の寄生虫を早く便と一緒に排出するためだと考える説があります。
また、猫草を噛んだ時の感触が好きという猫も多いようですし、猫草をかじって飲み込まずに、周囲に散らかすだけという猫もいて、単に猫草をおもちゃのようにして遊んで楽しむこともあるようです。
3.便通を良くする
猫草はその形状から胃を刺激しやすいだけではなく、食物繊維が豊富なことから、食べることで便通が促されるでしょう。
猫がグルーミングで飲み込んだ毛は、便と一緒に排出されますが、猫草を食べているとそれが促されるかもしれません。
猫草の与え方は?
中には「猫草が大好き♡」という猫もいます。そのため、うっかりしていると食べ過ぎてしまう、ということも…。猫草の食べ過ぎは、ご飯を食べる量が減ったり食物繊維の摂り過ぎや胃への刺激が多すぎて体調不良を引き起こすかもしれません。
猫草は、常に猫のそばに置くのではなく、食べさせる時以外は猫の手の届かない場所に隠しておいた方がいいでしょう。あまりに激しく大量に食べたがる子や鉢の中をいたずらする子の場合は、与える際も、猫草の鉢ごとではなく数本をちぎって食べさせた方が良いでしょう。
与える猫草は、種や苗から自分で育てたものだと安心ですね。外から採ってきた草は、農薬や様々なものに汚染されている可能性があり、猫に与えるのはおすすめできません。
また、消化機能がまだ未熟な子猫には、猫草は与えてはいけません。
まとめ
猫が草を食べるのは猫として正常な行動であり、猫草を与えることにはメリットがありますが、すべての猫が猫草を好んで食べるわけではありません。猫草を食べようとしない猫に対しては、無理に与える必要は全くありません。
猫草は、猫の胃に負担をかけることもあります。猫の様子を見ながら、少しずつ与えましょう。
猫草を食べると食べたものも吐いてしまったり、便秘や下痢になるなどの異変が見られた場合は猫草を与えるのをやめましょう。また、毛玉を吐きやすくなったり便通が良くなったりする猫草の効果を期待するのは健康な猫でだけにして、何か異常が見られる場合には猫草を与えて様子を見ることはせず、動物病院で診てもらって下さいね。