猫の『夜鳴き』は危険?年齢や性別で違う原因4つと対処法

猫の『夜鳴き』は危険?年齢や性別で違う原因4つと対処法

猫が夜中に鳴くようになったら、困ってしまうだけでなく、心配になりますね。猫の夜鳴きにはそれぞれ原因があります。年齢や性別によっても異なりますが、注意が必要な夜鳴きもあるのです。ここでは、猫の夜鳴きの原因と対処法についてご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.寂しい…子猫の場合

鳴いている子猫

子猫が母猫や飼い主を探して鳴くパターンです。子猫が母猫から離されて間もない頃は、寂しくて夜鳴きをすることがあります。寂しい時だけでなく、まだまだ遊び足りなくて鳴くことも。どちらにしても、構ってほしくて鳴くのです。

この時、飼い主が子猫を構うと、鳴けば遊んでもらえると覚えてしまいます。そうさせないためには、子猫が鳴いても無視しましょう。鳴いてもいいことがないとわかれば、鳴くことも少なくなります。

そのかわり、日中や寝る前にたくさん遊んであげて下さいね。満足して朝まで寝てくれるかもしれません。

2.ストレス…成猫の場合

段ボールから顔を出す猫

それまで夜中に鳴くことがなかった健康な成猫が夜鳴きをするようになった場合、ストレスを抱えていることが考えられます。

最近、ご家庭で環境の変化や家族構成の変化はなかったでしょうか。あるいは、新しく猫や他のペットを迎え入れたなど、変わったことはないでしょうか。

猫は環境が変わることに弱く、家具の配置が変わっただけでもストレスに感じることがあるのです。

環境の変化でストレスを感じている場合は、それまでと似た環境を作り少しずつ慣れるようにしてあげましょう。

引っ越しした場合は、家具を今までと同じ配置にしたり、猫が使っていたベッドなど猫用品は新調せずに新しい環境でもそのまま使わせましょう。ペットや家族が新しく増えた場合は、先住猫への配慮をくれぐれも忘れないようにすることが大事です。

3.認知症…高齢猫の場合

見上げて鳴く高齢猫

猫も高齢になると、認知症を発症することがあります。その症状のひとつが夜鳴きです。

ただ、認知症であっても、意味もなく鳴くのではなく、要求があって鳴いていることがあります。その要求を満たしてあげれば鳴きやむことがあるのです。

高齢になると足腰が弱り、思うように段差が上れなくなったりします。噛む力も弱くなるので、今までのフードもうまく食べられません。排泄を失敗することもあり、お尻が汚れていて気持ち悪いのかもしれません。

なぜ鳴いているのかを理解し、高齢猫が暮らしやすいよう環境を整えてあげて下さい。

また、高齢猫の場合は病気によって夜鳴きをすることもあります。下痢や嘔吐など他の症状がないか、元気や食欲はあるか、多飲多尿になっていないかなどをチェックし、気になることがあれば動物病院を受診しましょう。

4.発情期…メスの場合

見上げて鳴く猫

メスは発情期になるとオスにアピールするために、大きな声で鳴きます。発情期の猫の鳴き声はかなり大きなもので、夜中に鳴かれればゆっくり眠ることもできません。集合住宅や家が密集している地域では近所迷惑にもなるでしょう。

発情期の夜鳴きをやめさせるには、避妊手術を行うことが効果的です。発情期を迎えて鳴いているのにオスと交尾できないのは、猫にとってもストレスになります。獣医師とよく相談のうえ、検討してみてはいかがでしょうか。

オス猫はメス猫に誘発されて発情します。メスのフェロモンを感じ取ることで、オスも大きな声で鳴くのです。オスの場合も去勢手術が有効的です。

また、不妊手術の後で夜鳴きが起こることもあるようです。ホルモンバランスが変化したためと言われています。この場合は、ホルモンバランスがもとに戻れば夜鳴きも収まります。数日から長くても1ヵ月ほどでもとに戻るので、それまで叱らずに我慢してあげて下さいね。

まとめ

こちらを見て鳴く猫

猫が鳴く声は、静まり返った深夜にはとても大きく聞こえるものです。そんな中で安眠できるわけもなく、隣近所へ迷惑になっていないか気になりますよね。

猫の夜鳴きは、何かしらの原因があります。むやみに叱るのではなく、原因を探ってみましょう。

ただし、体に痛みを抱えていたり、精神疾患から来るものなど、他に原因があるかも知れません。対策をしてみたものの効果がない、原因がわからない、そんな時は無理をせず獣医師に相談しましょう。

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