猫のご飯に使うと『危険な食材』3つ!理由と食べてしまった時の対処法も

猫のご飯に使うと『危険な食材』3つ!理由と食べてしまった時の対処法も

飼い主の愛情がこもった手作りご飯。愛猫に喜んでもらえたら嬉しいですよね。でも、猫に手作りご飯をあげる際には、猫が食べてはいけない食材を使用しないよう気をつけないといけません。猫に食べさせてはいけないものとは何でしょうか?万が一、それらを口にしてしまった場合はどうしたらいいでしょうか?

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.ネギ類

ネギのにおいを嗅ぐ猫

ネギが猫にとって危険だということはよく知られているので、与えることはあまりないかも知れませんが、長ねぎや玉ねぎ、ニラ、ニンニクなどのネギ類はたとえ少量やスープに染み出した成分でも、口にしてしまうと中毒を起こす恐れがあるので十分気をつけないといけません。

ネギ類を食べてしまった時の代表的な症状は血尿ですが、他にも元気や食欲がなくなったり、下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。重度の場合は意識障害が起こることも。口にしてからすぐに症状が出ず、数日経って重篤な症状になることもあります。

猫のご飯には使用しないよう気をつけていても、うっかり猫が口にしてしまうこともあります。ネギ類は出しっぱなしにしないようにしましょう。また、人間の食事にはネギ類が使われていることが多いもの。目を離した隙に盗み食いされないよう気をつけて下さいね。

2.甲殻類

お皿の上のエビのにおいを嗅ぐ猫

エビやカニというと、キャットフードに使われているイメージがあるかと思います。キャットフードに使用できるなら猫に食べさせても大丈夫かと考えてしまいますが、生のエビやカニは与えないようにしましょう。

エビやカニなどの甲殻類にはチアミナーゼという成分が含まれているため、ビタミンを分解し、ビタミンB1欠乏症を引き起こす恐れがあるのです。

ビタミンB1欠乏症になると、食欲不振や嘔吐などが見られたり、痙攣や脚気の症状が現れたりすることもあります。足に力が入らないため、歩き方がおかしくなることも。重度になると意識障害を起こすことがあります。

加熱して少量なら与えても問題ないとされていますが、ご飯に混ぜて与える場合は気をつけて下さいね。また味が好みでないのであれば、あえて与える必要はありません。

3.ぶどう

お皿の上のぶどうと猫

犬にぶどうはNGとされています。犬がぶどうを食べると急性腎不全など重篤な症状が引き起こされるそうです。猫の場合はまだ事例が少ないので確実ではないのですが、犬と同じ症状が起こると考えられています。

急性腎不全は、猫の死亡原因でも多い恐ろしい病気です。症状としては、食欲不振や下痢、嘔吐などの消化器症状の他、尿の量が増えたり、逆に尿が出なくなることもあります。

もちろん、レーズンもぶどうなので食べさせてはいけません。むしろ、生のぶどうより成分が凝縮されているため、ぶどうよりも少ない量で症状を起こす可能性が高いのです。

パンや焼き菓子など、人間が食べる物にレーズンは意外と多く使われています。猫に食べられないよう気をつけましょう。ぶどうの果汁が含まれたジュースやゼリーなども口にしないよう注意が必要です。

猫が危険な食材を食べてしまった時は?

猫に聴診器を当てる獣医師

猫が危険な食材を食べてしまった時は、無理に吐かせようとしてはいけません。中毒に対して飼い主が自分でできる対処法はないため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。その際、「いつ」「何を」「どのくらいの量を食べてしまったのか」「食べた後の症状」「いつもと様子がおかしい」ことなどを獣医師に伝えて下さい。

たとえ体調の変化が見られなくても、ネギ類などは数日後に症状が出ることもあります。中毒症状が現れてからでは命に関わることもあるので、中毒のリスクが高い食品を口にしてしまった時はすぐに動物病院につれていきましょう。

まとめ

台所で鍋を覗き込む猫

猫のためにご飯を手作りしたいという場合は、猫が食べてはいけない食材についても知っておきましょう。人間が普段食べているもので、猫に害を及ぼす可能性のあるものは意外と多いのです。

愛猫のためと思って作ったご飯が、猫を苦しめることのないようにしたいですね。ご飯を手作りするなら、猫に適した食材をバランスよく使って、おいしく食べてもらいましょう。

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