猫の放置するとヤバい『異常行動』4つ!原因と適切な対処法とは

猫の放置するとヤバい『異常行動』4つ!原因と適切な対処法とは

猫と暮らしていると時々変わった行動を見かけることがあります。程度によってはそこまで気にならず放置してしまう方もいますが、もしかするとそれらの行動は猫の心身に危険が及んでいるサインかもしれません。

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.分離不安

不安そうな猫

分離不安とは、猫が飼い主さんに対して過度に精神的に依存してしまっている結果、飼い主さんと離れた時に異常に不安を感じるようになっている状態です。近年の在宅ワーク増加により自宅に飼い主さんがいる時間が長くなったことで、分離不安となる猫も多くなりました。

分離不安となった猫は、飼い主さんと離ればなれになると強い不安を感じ、暴れる、トイレ以外で排泄する、過剰に毛繕いをするなどの問題行動を起こします。猫の分離不安が疑わしいときは獣医師などの専門家に相談してみましょう。

2.過剰な毛繕い

毛繕いする猫

猫は大きなストレスを感じたときに毛繕いして気を紛らわそうとします。転位行動の一つで、ストレスの原因となった出来事とは関係のないことをして気持ちを落ち着かせようとしています。また、退屈していると必要以上に毛繕いをすることが多くなります。

そのため、強いストレスがかかったり退屈過ぎる日が続いたりすると毛繕いが過剰になり、ハゲができたり皮膚がただれたりしてしまうことがあります。

猫が頻繁に舐めている部分がハゲてきた場合、皮膚がただれても舐め続けている場合などは、動物病院を受診しましょう。原因となっている皮膚病がないか検査をし、皮膚病は一切なく精神的な原因が考えられる場合は生活環境の改善や薬によって猫のストレスを減らす治療をします。

3.トイレに行くと鳴く

トイレにいる猫

猫がトイレに行くたび、鳴き声をあげるようであれば泌尿器疾患が疑われます。尿路結石や膀胱炎は激しい痛みを伴うことがある病気です。また、放置することで急性腎臓病や尿毒症が続発する恐れもあるため、早い段階で動物病院を受診することを推奨します。

猫は他にも、トイレが汚れているから、トイレが気に入らないから鳴くこともあります。トイレの汚れは猫にとっても不愉快なもの。猫によってはトイレを我慢することもあるため、こまめに掃除をしたり定期的に砂を全量入れ変えたりしてあげてください。

4.餌を食べなくなる

食事している猫

猫が餌を食べなくなるのは大きな問題です。食欲低下の原因として、病気や大きなストレスを抱えていることなどが挙げられます。猫がまったく食べなくなってしまった場合は、その理由にかかわらず猫の健康を脅かす危険性が高くなります。

猫は絶食状態が数日間続くと、肝リピドーシスを発症することがよくあります。肝リピドーシスとは、肝臓に脂肪がたまるせいで肝機能が低下し、最悪の場合は命に関わる恐ろしい病気。特に肥満の猫がご飯を食べなくなった時に多く見られます。猫がご飯を食べていないと気付いたら、原因となっている病気を治療し肝リピドーシスを防ぐために早急に動物病院で診察してもらいましょう。

病気はなく、ストレスやフードに対する不満が原因で食べなくなっていると考えられる場合は、ストレスの原因を生活空間から取り除いたり、フードの種類や管理状態を見直したりしましょう。

飼い主さん自身ですぐに解決できない場合は、獣医師などと相談しながら猫がご飯を食べなくなる原因を特定することが重要です。

まとめ

抱っこされている猫

猫の異常行動は一目見ただけでは、危険な状態のサインであると気付かないこともあります。猫の性格によっては、特に異常がない時にもよく見られる行動のこともありますし、飼い主さんの性格やライフスタイルによっては気づきにくい行動もあります。

しかし、ご紹介したように猫の異常行動はすぐに治療が必要な病気のサインである可能性もあるため、日頃からできるだけ猫の行動を観察してみてください。

スポンサーリンク