1.脱水症状
猫が脱水症状に陥っていると毛並みの質が悪くなり、歯茎が乾き、皮膚の弾力も失われてしまいます。状態が悪化すると眼球まわりの陥没も症状として現れます。脱水状態がさらに深刻化することで、命の危険も懸念されるようになります。
人間同様、猫にとっても脱水は命の危機です。何日も水分補給していないと気付いたら早めに動物病院に相談されることを推奨します。
2.泌尿器疾患の悪化
猫の水分摂取量が減少すると、その分少ない水で老廃物を排出しようと濃いおしっこが生成されるようになります。尿の量が減少し排泄量もへり膀胱内の環境があまり良くなくなり尿路結石ができやすくなり膀胱炎を引き起こす恐れもあります。
特にストルバイトやシュウ酸カルシウムが結晶化することで引き起こされる尿路結石には注意が必要です。それらの結晶や石が詰まることで尿を外に出すことができず毒が体内に蓄積し、尿毒症・急性腎臓病を引き起こします。
また、尿路結石がどこにつまるかによって少し症状も違ってくることがあります。「尿道」にできる場合は猫に激痛をもたらしやすい一方で、「尿管」の結石は症状がでにくい場合があります。いずれにせよ猫の飲水量が少ないと感じたときは、トイレのおしっこの状態も併せてチェックしてあげましょう。
3.体温調節機能の低下
人間は全身の汗腺から汗を分泌することで体温調整ができますが、猫には汗を分泌できる部位が肉球(足の裏)にしかありません。犬のように口呼吸による放熱も得意ではないため、猫の体温調整機能は限定的といえます。
そんな猫が飲水量の減少によって脱水症状となり分泌する汗の量も少なくなってしまうと、体温調整機能にも支障が生じます。熱中症は夏に多い印象が強いですがエアコンやストーブなどによって室内が乾燥しやすい冬にも十分起こり得ます。
冬の季節は猫の飲水量に気を配ると共に室内温度にも配慮してあげましょう。
まとめ
猫は元々、砂漠など乾燥した地域出身の生き物。そのため少ない水分でも生きていける体内構造となっており積極的に飲もうとしません。しかし、水分が少ない状態は脱水症状を引き起こしやすく、病気などにも繋がりやすいです。
猫の水分補給は飲み水以外にもウェットフードなどで補えるため、日常の中で工夫してみてください。