猫に『キャベツ』を与える時に守るべきこと4つ!食べさせない方が良い場合も

猫に『キャベツ』を与える時に守るべきこと4つ!食べさせない方が良い場合も

「キャベツ」は猫の手作りご飯でよく登場する食材です。しかし手に入りやすい野菜ながら、実はキャベツを猫に与える時には少し注意が必要です。ここでは、キャベツを食べたい猫たちに心おきなく食べてもらえるよう、キャベツを猫に与える際の注意点をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

「キャベツ」に注意が必要な理由

キャベツを切っている人とそれを見る茶色のメインクーン

「キャベツ」という野菜は、猫の手作りご飯によく登場する便利な野菜なのですが、実は猫に与えるには少し注意が必要です。

その理由の1つめは「シュウ酸」で、人でも尿路結石の原因物質として有名です。野菜のシュウ酸の含有量は、ホウレンソウが断トツですが、キャベツも野菜の中ではシュウ酸を多く含みます。

さらにもう1つの理由が「食物繊維」です。キャベツには食物繊維が多く含まれており、特に不溶性食物繊維が多い野菜です。一度に大量に食べてしまうと、便秘や下痢を起こすことがあります。

「キャベツ」を与える時に守るべきこと

鍋のうえのコック姿の猫と野菜

では、猫に「キャベツ」を与える際には、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。

1.必ず茹でる

猫に野菜を食べさせるときは、「茹でる」のが原則です。茹でると野菜が柔らかくなって食べやすくなりますし、シュウ酸はお湯に溶け出します。

ただし、シュウ酸が溶け出したその茹で汁を猫に飲ませてしまうとシュウ酸の摂取量を減らしたいという点では台無し。シュウ酸摂取量を抑えたい場合には、くれぐれもキャベツの茹汁は与えないようにしましょう。

2.細かく刻む

キャベツの繊維を断ち切るために、細かく刻んで与えましょう。

茹でてみじん切りにしてあげれば、内臓への負担が減るでしょう。

3.一度に大量に与えない

細かく切ったり柔らかくなっているとはいえ、多すぎるのは考えもの。

与え方にもよりますが、最初は小さじ1杯程度から、様子を見つつ増やし、あくまでも食材の一つやトッピングとしての適量を超えないようにしてください。

4.カルシウムと混ぜる

シュウ酸が体内に吸収されるのは防ぐためには、カルシウムを同時に摂取すると良いようです。

おすすめメニューは「キャベツの鰹節まぶし」。猫の舌にも美味しいですし、鰹節の豊富なカルシウムが、シュウ酸と結合して体に吸収されない形にします。

ただし、カルシウムも摂り過ぎは害になりますし尿路結石の原因にもなります。キャベツも鰹節も与えすぎないようにしましょう。

少量なら生でも平気

キャベツを舐める茶トラ白

キャベツを生で食べるのを好む猫もいるようです。猫草のように猫が好んで少量食べる程度で食べた後も何も問題が起きないようなら、生で食べさせても大丈夫です。

もし生のキャベツに興味を示すなら、猫草を用意してあげると良いかもしれません。

「キャベツ」を食べさせてはいけない場合とは

キャベツの葉?のうえの子猫3匹

では、絶対に猫にキャベツを食べさせてはいけない場合とは、どのような状況なのでしょうか。

シュウ酸カルシウム結晶があるとき

猫に多い尿路結石の一つが、シュウ酸カルシウム結石です。この結石は一度できると薬やフードで溶かすことはできず、手術でしか取り除けません。

シュウ酸カルシウム結石が多く見られる品種であったり過去に結石の治療を行ったことがある場合や、すでに結石があることが分かっている場合には、キャベツは避けた方が安全でしょう。

下痢のとき

食物繊維が腸を刺激して、症状を悪化させるかもしれません。

下痢のときは、できるだけ消化のいいものを選びましょう。

嘔吐が続いているとき

嘔吐が続いているときも、食物繊維が刺激になりますからキャベツは避けた方が良いでしょう。

食欲が落ちているとき

食欲不振のときにも、一般的に食物繊維の多い食べ物は向きません。

消化に負担がかかってしまいますし、少量でも栄養の摂れる食事を与えましょう。

まとめ

キャベツと並ぶ長毛のキジトラ

猫にキャベツを与える際には注意が必要な場合があります。ただし一度に食べる量はたかが知れていますから、健康な猫であればすぐに具合が悪くなることはまずないでしょう。

とはいえ、要注意野菜である理由を知識として知っておけば、「しょっちゅう食べさせて猫の具合が悪くなってしまった」などというハプニングに見舞われなくてすむはずです。

キャベツに限らず、猫に与える野菜は『茹でて・刻んで・少量を』が基本です。そして具合の悪いときには、猫が食べてくれる適切な栄養を含んだフードがあれば、余計な食材は追加しない、特にキャベツのように食物繊維を多く含む食べ物は与えない方が良いでしょう。

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