ウールサッキングとは?
ウールサッキングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、猫が好むウール(ふわふわした素材のブランケット)などを吸ったり、食べてしまったりする行動です。
布以外にも、ビニール袋やダンボールを食べてしまう場合があります。いずれも猫が食べる食物ではないので、消化されずに胃腸に詰まってしまう恐れがあります。
最悪の場合は手術を要したり、命を落とす危険性すらある怖い行動なのです。
なぜウールサッキングをするの?
ブランケットやビニール袋は猫に人気のアイテムですが、全ての猫がウールサッキングをするわけではありません。
では、なぜウールサッキングをしてしまう猫がいるのでしょうか。今回は、その理由を紹介いたします。
1.早期離乳
母乳を辞めてしまう時期が極端に早かった(生後1ヶ月半未満)の猫には、ウールサッキングが見られることがあります。
母猫の体に似た柔らかい素材のものを吸ったり噛んだりすることで、満足感や安心感が得られるからです。
2.ストレス
精神的なストレスを抱えている猫も、やはり心の安定を得るためにウールサッキングをすることがあります。
主なストレス要因は、引越し・飼い主さんの生活リズムの変化・近隣の工事の音などが挙げられます。
3.好奇心によるもの
単に興味があるからという場合もあります。
ふみふみして遊んでいた毛布を吸ってみたら本能的に安心した、噛みちぎってみたら癖になってしまったなど、猫ならではの好奇心によるものです。
4.遺伝によるもの
理由は定かではないものの、シャム系統の猫にはウールサッキングをする猫が多いといわれています。もちろん、全てのシャムに該当するわけではありません。
5.甘えたい
ストレスに似ていますが、寂しさを感じて甘えたいと思っている猫もウールサッキングをすることがあります。
これは精神的に落ち着くだけではなく、敢えて禁じられている行動を取ることで気を引こうとする場合もあります。
ここで叱ることは逆効果になってしまいます。まずは対象物を隠し、思う存分甘えられる時間を作るようにしてください。
6.強い空腹
次の食事までの時間が長く空くと、強い空腹に襲われます。元々猫は少量の食事を細々と分けて食べる習性があるからです。
あまりにお腹が空いていると、手当り次第何でも口にしてしまう場合があります。ちなみに保護猫は時に、砂やゴミを食べて生活してしまい、発見後の便に異変が見られることがあります。
どのように気をつければいいの?
できれば未然に防ぎたいウールサッキング。どのように気をつければ良いのでしょうか?
留守中は与えない
家を空ける際は、ブランケットやビニール袋、ビニール紐などは与えないようにすると良いでしょう。
念のため、シャム系の猫と暮らすご家庭では特に気をつけてください。
食事の回数を増やす
愛猫の年齢や運動量に合わせた1日の摂取量を超えない範囲であれば、食事の回数は何回に分けても問題ありません。
空腹状態でいる時間をなるべく短くし、少しずつ食べられるように工夫してみてください。
猫と遊ぶ時間を作る
1日の中で、必ず愛猫と遊ぶ時間やスキンシップを取る時間を確保してあげましょう。ほんの数分で構いません。
そうすることで、ストレスや寂しさが募ることを防ぐことができます。
まとめ
今回は、ウールサッキングの原因と対処法について紹介いたしました。
ウールサッキング自体はどんな猫でも起こり得るものですが、ブランケット=ウールサッキングの原因というものではありません。実際に使っていて問題がなければ大丈夫です。ダンボールやビニール袋で遊ぶ行動も、飼い主さんが見守る中で安全に遊べていれば禁止する必要はありません。
ただし、ウールサッキングの兆候が強く見られる場合は、対象物を猫から遠ざけるようにしましょう。
最後に稀なことですが、体調不良による苦痛を解消する目的でウールサッキングをすることがあります。明らかな異変があれば、一度動物病院で診察を受けることをおすすめします。