1.風邪(咳・鼻水・鼻詰まり・くしゃみ・目やになど)
猫の風邪は複数のウイルスが原因であり、そこに細菌感染が加わることもあります。猫風邪のウイルスはとても感染力が強かったり、風邪症状がない時でも体内に潜んでいたりして、猫の体にストレスがかかり免疫力が下がった時によく発症します。寒さもそのストレスの一つとなります。
また冬は空気が乾燥しているせいで鼻や喉の粘膜の水分が奪われ、粘膜のバリア機能が低下することによっても風邪にかかりやすくなります。
対処法
本格的に寒くなる前から寒さと乾燥への対策をしましょう。寒さに対しては、猫にも安全な暖房器具を使ったり猫用の布団をより暖かいものに変えると良いでしょう。乾燥に対しては、加湿器を使用したり洗濯物の室内干し、旧式ストーブなら上に鍋ややかんを置いての加湿などがおすすめです。
湿度40%~60%を目安に積極的に部屋を暖めて加湿しましょう。
普段から良質なフードを適量食べさせ、よく遊んであげ、猫のストレスが少ない環境を作り(キャットタワーの設置や同居動物と良い関係を築くことなど)、免疫力をできるだけ高い状態に保ってあげることも重要です。
2.フケや皮膚の痒み
冬のコタツやファンヒーターが、猫の皮膚を極度に乾燥させてしまうことがあります。そして皮膚が乾燥し過ぎると、フケがたくさん出たり痒くなったりしてしまうかもしれません。
対処法
コタツならたまにスイッチを切って代わりに湯たんぽを中に入れてあげたり、ファン系の暖房機やストーブなら柵などを設置して吹き出し口やストーブそのものの近くに猫がいられないようにしたりして、熱や熱風から猫を守ってあげましょう。ヒーターやストーブをやめてエアコンを使うのも一つの方法です。これらはやけどや毛が焦げたりすることからも猫を守ってあげることになりますね。
それでも皮膚の乾燥がおさまらない場合には、保湿効果の高いグルーミングスプレーを使いながら獣毛ブラシなどでブラッシングしてあげたり、一度動物病院で診てもらったりしましょう。
3.膀胱炎・尿路結石・慢性腎臓病
冬は乾燥の季節ですが、暑くない上に寒さから猫の活動量が減りますので、猫の飲水量は減ります。するとおしっこの量や回数が自然に減りますし、濃い尿が膀胱にとどまる時間も長くなります。
これが、菌の繁殖や結石の形成、慢性腎不全の発症や悪化を起こしやすくするのです。
対処法
とにかく猫には水分を摂らせましょう。ウエットフードの割合を増やすのは手軽でおすすめの方法です。
また室内のあちらこちらに水ボウルを置いたり、猫用ミルクや水分補給用おやつなどを利用して、夏以上に水分補給に気を配りましょう。
水分摂取量の記録をつけるのもおすすめです。
4.便秘
便秘には様々な原因がありますが、見落としがちなのが「水分摂取量の不足」です。冬に飲水量が低下すると、体の水分量は少なくなります。脱水とまではならなくても、水分量が少ないことで便の水分までもが減少します。
水分量が減少した便は硬くなり、腸に長くとどまるようになって、さらに水分を吸収されてしまったり出にくくなったりします。
対処法
対策の大前提は水を飲ませることです。ウエットフードの割合を多くしたり、スープやお湯でつゆだくにしたりすると、水分たっぷりのごはんになります。
もしドライフードしか食べない猫なら、猫用ミルクでもスープ類でもいいので、せめて食後に水分を摂らせたり、起きている間は何回も水分をとりたくなるような工夫をしてみましょう。
寒いと猫もあまり動きたがらなくなりますが、適度に体を動かせることも水分摂取量を増やす一つの方法です。
また、もし便がかたくなったり便秘になってしまった場合には、水分だけではなく食物繊維の摂取量を増やさなければいけない時もあります。猫の便秘は長期化したり病気の原因となることがありますので、動物病院に相談して検査を受けたり適したフードを処方してもらいましょう。
まとめ
冬に多い猫風邪や泌尿器系の病気は、冬場の寒さや乾燥が直接的、または間接的なな原因となっていることがあります。
冷えは免疫力を低下させますから、寒さを我慢させるべきではありません。また、寒いと活動量も飲水量も減りますが、できるだけアクティブに過ごさせ、運動不足から肥満にならないようにするとともに水もできるだけたくさん飲んでくれるようにしましょう。
お家の暖房器具の性質を見極めて猫にとっても安全に使用し、加湿器を使うなどして空気の乾燥も防ぎ、冬の不調を上手にかわしてくださいね。