猫がうつ病のようになる原因
基本的に、猫がうつ病のようになってしまう原因はストレスが大きく影響している場合があります。猫に対して大きなストレスとなり得る要因をご紹介します。
1.環境の変化
引っ越しをして慣れない家での暮らしが始まる、飼い主さんに子どもが生まれる、新しい猫を迎えて多頭飼育になるなどの環境の変化があると猫はストレスを感じます。
妊娠・出産や新しい猫との出会いといった飼い主さんにとってポジティブな出来事も、愛猫には大きな負担になる場合もあることを忘れないでください。愛猫が慣れない生活で不安を感じている時は、飼い主さんがしっかり様子を見ながら優しく寄り添うことが大切です。
2.同居しているペットとの関係
人がうつ病になる原因の1つが人間関係の悩みであるのと同様に、猫も多頭飼育をしている場合はペット同士の関係が不安を引き起こすきっかけになってしまうことがあります。
飼い主さんは「仲間がいたほうが遊び相手にもなって愛猫が喜ぶはず!」という気持ちで2匹目や3匹目のペットを迎える場合が多いかと思いますが、お互いの相性が悪ければ良好な関係を築けずにストレスになってしまうのです。
多頭飼育に向かない性格の猫もいるので、新しいペットを迎える際はよく考えてからにしましょう。
3.愛情不足で寂しい
猫は飼い主さんが十分に構ってくれない日が続いたり、お世話が行き届いていなかったりすると、「愛されていない」と感じて寂しい気持ちになってしまいます。過度の寂しさは猫にとって大きなストレスなので、飼い主さんはどれほど忙しくても愛猫とのコミュニケーションやお世話を疎かにしないでくださいね。
4.刺激がなく退屈
野生時代は狩りをして刺激的な生活をしていた猫にとって、家の中で過ごす単調な日々は退屈すぎてストレスになってしまう場合があります。
狩猟本能を満たしながら運動不足を解消できるようにおもちゃで遊んだり、キャットタワーを上り下りしたりして過ごすことは、猫の心身の健康維持に必要なのです。飼い主さんは愛猫が安心して生活できる環境を整えるとともに、退屈しない工夫も取り入れましょう。
猫のうつ病のような症状
- 無気力、無関心
- 食欲不振
- 粗相をする
- 眠りが浅くなる
- 攻撃的な性格になる
- 頻繁に鳴くようになる
- 飼い主さんに対する後追いが酷くなる
- 人目につかないところに隠れたり、飼い主さんと離れて過ごしたりするようになる
- グルーミングをしなくなったり、逆に過度なグルーミングをするようになったりする
以上の症状が見られた場合は、猫が大きなストレスを抱えている可能性が考えられるでしょう。一度、動物病院で診察を受けることをおすすめします。
もちろん精神的な面ではなく身体的に病気が隠れている場合もありますので、勝手な判断はせずにしっかり診察をうけましょう。
改善方法
愛猫が大きなストレスを抱えていると感じた場合は動物病院で診察を受けて、精神的な部分からくるものなのか他の病気による不調なのかを判断してもらいましょう。精神的な面に対しての改善方法としては、抗うつ剤などの薬による治療とストレス対策が効果的です。薬物療法が必要かどうかは獣医師と相談してください。
ストレス対策をするために、まず何が愛猫のストレスになっているのか原因を考えることが大切です。寂しさが原因の場合はいつもより多めにスキンシップをとるよう心がける、退屈さが原因の場合はキャットタワーやキャットウォークを設置してみるというように、ストレスを軽くする努力をしましょう。
愛猫のストレスの原因や適切な対策がわからない時は、獣医師に普段の生活について話してアドバイスをもらうとよいですよ。
まとめ
愛猫の健康管理は飼い主さんの務めの1つですが、体の健康だけでなく心の健康も重視しなくてはなりません。人間からすると「猫は悩みなんかなさそうでいいな~」と思ってしまいますが、実は猫にも繊細な一面があり、様々なストレスを感じながら生きているのです。
猫は気持ちが落ち込んでいても、それを飼い主さんに伝えることも自力でストレスの原因を取り除くこともできません。飼い主さんは日頃から愛猫にストレスのかからない生活を心がけ、うつ病のような症状が出た時には見逃さずに早急に対処してくださいね。