猫はいつからシニア?高齢猫に起こる変化とは
今回のメインテーマは「猫の介護」です。猫のご長寿さんが増えた今、介護はとても身近なものになりつつあります。
ところで、猫はいつからシニア期になるのでしょうか? 個体差があるので一概には言えませんが、概ね11歳を過ぎた頃から高齢猫の仲間入りをするようになります。
高齢期に入ると、徐々に次のような変化が現れます。
- 感覚器官の衰え(視力低下難聴など)
- 筋力低下(高い場所に登れなくなる)
- 被毛がベタつく、毛艶が悪くなる
- 臓器の不調(腎臓病心臓病など)
- 認知機能の低下
全ての猫に起こるわけではありませんが、若い頃と同じクオリティの生活は困難になっていくでしょう。
猫の介護におけるタブー
猫の介護には、いくつかNGとされる行動があります。ここからは6つのタブーと、介護のポイントについて詳しく紹介いたします。
1.身なりを整えない
若い猫は自分で毛繕いをすることができます。短毛種であれば毎日のブラッシングは必要ありません。
しかし、高齢猫の場合は異なります。関節が固くなり、思うように毛繕いができなくなるため飼い主さんのサポートが欠かせません。
毛繕いができなくなってきたら、こまめにブラッシングをしてあげましょう。
2.爪を切らない
寝たきりに近い状態になると、巻き爪が発生しやすくなります。伸びた爪を放置することは危険です。肉球に食い込み、皮膚を痛めてしまう恐れがあります。
爪が伸びてきたらその都度カットするように心がけましょう。
3.同じ体勢のまま寝かせておく
自力で寝返りがうてなくなると、介助をしない限りそのままの体勢で寝続けることになります。人間と同様に床擦れの原因になるので、時々体勢を変えることが大切です。
寝具も柔らかいものを用意してあげましょう。
4.環境を変える
猫は元々環境の変化が苦手な動物です。高齢になってから急激な変化が生じると、不安が強くなってしまいます。
不安は認知症発症の要因にも、悪化の要因にもなり得ます。模様替えをしたり、新しい猫を迎えることは極力控えるようにしてください。
やむを得ない事情がある場合は、愛猫の生活拠点はそのままにする配慮をしてあげましょう。猫を緊急保護した場合は、生活スペースを分けるようにしてください。
5.刺激を与えない
環境を大きく変えるのはタブーですが、全く刺激のない生活も認知機能の低下を招きます。
一緒にひなたぼっこを楽しんだり、積極的に話しかけて程よい刺激を与えるようにしましょう。
6.最初から先回りしない
歩行がおぼつかなくなると、ついつい手を貸したくなりますよね。もちろん、最終的には排泄物の処理も含めて手助けが必要になります。
しかし、自力で歩けるうちは積極的に歩かせてあげてください。筋力低下を防いだり、ストレス予防につながります。
食事の場所もトイレの場所も、最初はそのままにしておきましょう。歩行のレベルに合わせて少しずつ改良し、トイレにスロープをつけるなどの工夫を取り入れていきます。
人も猫も「まだまだやれる!」という自信が若さを保つ秘訣になるのです。
「不安に寄り添う」を大切に
高齢の猫は、本能的に襲われないか常に不安を感じています。不安が大きくなると、頻繁に鳴くこともあります(認知症や脳腫瘍の症状でも起こる現象)。
先ほども紹介したように、不安が募ればその分、認知機能の低下を早めてしまう可能性があります。
子猫の夜鳴きや甘えとは全く異なるものなので、できるだけ気持ちに応えるようにしましょう。「不安に寄り添う」という気持ちで、優しく声をかけてあげてください。
まとめ
人生100年時代といわれるように、猫生も30年時代と呼ばれる日が近々訪れるかもしれません。大切な愛猫と1日でも長く一緒に過ごせることは喜ばしいことです。
しかしその反面、将来的には認知症や持病を抱えた猫達の介護が必要になります。経済的な面や、介護の時間をどう確保するかなども含めて考えければならないことが多いのです。
愛猫がたくさんの癒しをもたらしてくれた分、私達も不安に寄り添い、最期の瞬間まで心を満たしてあげたいですよね。
介護はきれい事では済みませんが、タブーに気をつけながら飼い主さんのやりやすい方法を見つけてください。