猫の肩こりの原因とは
スマホもPCも使わない猫。しかも体が柔らかいので、肩こりとは無縁な気がしますよね。ところが猫も、あることが原因で肩こりが起こるのです。
前足に負荷がかかる
実は、猫の体には鎖骨がありません。正確には、ほとんど発達していない状態です。狭い場所を効率よく通り抜けるために、進化した結果です。
猫の生活スタイルには順応した骨格といえますが、その代償として前足に負荷がかかってしまいます。そのため、人間のようなデスクワークがなくても、日常的に肩こりが起こりやすいのです。
運動不足・肥満
家猫は狩りをしないので、慢性的な運動不足に陥りがちです。筋肉が使われずに凝り固まってしまうと、肩こりが生じます。
さらに、食いしん坊という性質が加わると肥満になる恐れがあります。体重が増えればその分、前足への負担が大きくなります。
夕方や就寝前など、猫が活発になる時間帯を狙って遊びに誘ってみてください。適度に体を動かすことで、肩こり解消や予防につながります。
加齢による筋力の衰え
筋肉が衰えるのは、運動不足だけではありません。加齢もその原因の1つです。
加齢の恐ろしいところは、筋肉や靭帯の弾力を失うばかりではなく、関節自体も固くなってしまうところです。柔軟性の高い猫の体も、年齢には抗えません。
猫の肩こりに効果的なほぐし方3つ!
人間とは全く異なる理由から肩こりを抱える猫達。しかも猫は、「最近肩こりが酷いのよ」と訴えることができません。
そこで今回は、簡単にできるほぐし方を3つ紹介いたします。
1.毛流れに沿って撫でる
最もシンプルな方法は撫でることです。スキンシップを好む猫は、毎日なでなでを要求してくるでしょう。
毛流れに沿って優しく撫でているだけで、実はマッサージ効果があるのです。その理由は、「血流が良くなるから」。
スキンシップが苦手という場合は、眠っているタイミングを見計らって無理のない範囲で撫でてあげましょう。
2.「ツボ」を意識したマッサージ
猫の体にも「ツボ」が存在します。肩こりに効くのは、「肩井(けんせい)」「曲地(きょくち)」「槍風(そうふう)」の3つのツボです。
- 肩井:肩甲骨の前にあるくぼみ(人間の鎖骨)
- 曲地:前足の付け根
- 槍風:肩関節の後ろにあるくぼみ
これらのツボを意識しながら、次のようにマッサージしてみてください。
まずは、背中と肩甲骨を上から下に向かって撫でていきます。6回~10回ほど繰り返します。愛猫がリラックスしていて、拒まれないことを確認したら次のステップに移ります。
次は肩井のツボをほぐします。猫が座った状態なら顎に片手を添えて、もう片方の手で鎖骨周辺をクルクルと回すように摩ります。これも6回~10回ほど繰り返します。左右どちらも同じように行いましょう。
肩井が終わったら槍風を8回ほど、優しく指圧します。指圧といっても強く押してはいけません。あくまでも意識して触れる程度に留めておきましょう。
その後は首の後ろを揉み、曲地も槍風と同様に指圧します。仕上げに背中の肉を軽く摘んで離すを6回~10回程繰り返して終了です。
3.高齢猫は清拭をしながら行う
清拭(せいしき)とは蒸しタオルで体を拭き、清潔にする介助のことです。高齢の猫は毛繕いが困難になるため、清拭が必要になります。
程よく温めたタオルで体を拭き取りながら、全身を揉みほぐしましょう。冒頭でも紹介したように、高齢猫は関節自体が固まっています。
温めた状態であれば関節が動きやすくなるので、無理のない範囲で動かしてあげましょう。マッサージをする際は、飼い主さんの手も十分に温めておきましょう。
まとめ
私達の知らないところで、実は猫も肩こりを抱えていました。スキンシップをとる中で、さり気なくマッサージを取り入れてみてください。
猫も心地よい気分になるとうっとりした表情になります。逆に「今はマッサージの気分じゃないんだよなぁ」という時は、耳を横に倒して怪訝そうな表情を浮かべます。愛猫の反応を見ながら少しずつ、凝りをほぐしてあげてください。
今回はマッサージを中心に紹介しましたが、運動やストレスフリーな生活を心がけることも大切です。愛猫がのびのびとリラックスできるような雰囲気を作り、肩こりを予防していきましょう。