猫にとっての『良い食器・悪い食器』とは?注意ポイント4つと理由も

猫にとっての『良い食器・悪い食器』とは?注意ポイント4つと理由も

猫の健康を考えるとフードの内容に注目しがちですが、フードを入れる「食器」も同じくらい重要です。食器選びを間違えてしまうと猫の体に負担がかかるため、吐き戻しやフードの食いつきが悪くなるといった様々な影響があります。では、猫にどのような食器を選んであげたら良いのでしょうか? 猫がストレスを感じにくい食器選びのポイントをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫に最適な食器

フードを食べる猫

猫にとって良い食器は「体に負担がかからずフードを食べられる」こと。愛猫の体の大きさに合わせて適正サイズを選ぶ必要があります。

猫の体の構造上、口から胃まで食道が真っすぐ通っているため、ある程度の「高さのある食器」を選ぶと食道が曲がることなくスムーズに食べることができますよ。

食器は毎日猫が口をつけるものなので、お手入れをしやすい素材かどうかも重要です。

猫に不適切な食器

食べにくい食器

一方で、猫にとって悪い食器は、安定感がなく、猫が頭を下げないとフードが食べられない食器です。極端に言えば、良い食器の反対の内容になりますが、胃よりも顔が下になるような姿勢で食べると吐き戻しの原因になりますし、高齢の猫は関節に大きな負担がかかってしまいます。

また、プラスチック素材の食器はとても安価で手に入りやすいですが、非常に軽量なためデメリットも。猫が食べている最中に食器が動いて食べにくかったり、食器をひっくり返したりするというようなデメリットもあります。
さらに細かい見えない傷がつきやすく衛生的にもあまりよくない場合があります。

猫用食器は体のサイズに見合ったものだけでなく、猫の性格や環境のことも配慮しながら選ぶと良いでしょう。

猫用食器を選ぶ時の注意ポイント

ステンレスの食器

ではここからは、具体的に猫用食器を選ぶ際に注意したいポイントについて解説します。

1.食器の素材について

猫の食器は多種多様で一般的に手に入りやすいものは、下記の3つの素材です。

  • 陶器製
  • ステンレス製
  • プラスチック製

猫のいる環境や飼い主さんの考え方によって使いやすさは異なりますが、迷ったら「陶器製」を選ぶことをおすすめします。「清潔」「安定感」「長持ち」が3拍子揃った食器で、傷が付きにくく汚れが落しやすいので、猫が毎日使う食器にとても適しています。

2.食器の高さ

猫の体への負担をかけないためにも、脚付のものやペット用の食器台を活用して高さを出してあげましょう。

猫の体の大きさにもよりますが、一般的に「5cm~8cm程度あれば食べやすい高さ」と言われています。

3.食器の幅

猫は食事中にヒゲが当たってしまうことを嫌がる場合があります。そのような場合は、猫の顔のサイズよりも一回り程大きめの幅の食器を選ぶと、ヒゲが食器に当たって曲がることを避けられます。

一般的な猫は猫用食器で十分ですが、体が大きい猫は幅も気にかけてあげると、よりストレスを感じにくいでしょう。

4.食器の深さ

猫に最適な食器の深さは3cm~5cm程が目安です。

猫用の食器はもともと浅めに作られていますが、形状によっては猫が食べている最中にフードが食器からこぼれてしまうこともあります。イメージ的には、猫の鼻が底面に付くくらいの深さを選ぶと良いでしょう。

また、底が平らな物よりも半球型のボウル状になっている食器の方が、食べこぼしを防いでくれますよ。

まとめ

猫の食器

猫用食器は様々な素材と形、デザイン性に優れた製品が多くあり、選ぶ際は迷ってしまうことも少なくありません。

食器選びは、猫の体の大きさや性格を考慮したうえで、愛猫がフードを食べやすいかどうかが判断基準になります。加えて、飼い主さんがお手入れしやすく、衛生面をいかに保てるかも重要なポイントとなるでしょう。

愛猫の健康を維持するためにも素敵な食器を用意して、美味しいフードがしっかり食べられる環境を整えてあげたいですね。

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