猫の『肛門腺』のお手入れは必要?異常があった場合のケア方法2つ

猫の『肛門腺』のお手入れは必要?異常があった場合のケア方法2つ

猫の肛門腺を絞るという話はよく耳にしますが、これってどの猫にも必要なことなのでしょうか。本記事では肛門腺のケア方法や必要性、注意点についてまとめてみました。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.肛門腺を絞る

肛門を診察中の猫

猫がお尻を床にこすり付けるように歩いているのが見られた場合、お尻に違和感があるのが原因かもしれません。その原因の一つとして、肛門腺に分泌液が溜まっている可能性があります。

肛門腺の分泌液は、通常であれば便の排出時に少量ずつ一緒に出てしまうことなどで十分に排泄されるのですが、中には溜まりやすい子もいます。そして分泌液の質も猫によってサラサラしていたりドロッとしていたりと様々です。

分泌液がドロッとしていると、分泌液が詰まりやすくなります。その場合は、定期的に絞ってあげると良いでしょう。ただし、あまりにもドロっとしていたり既に詰まってしまっていたり、分泌液が固まってしまっている場合に無理に絞って傷つけるといけませんので、少し絞ってみて出てこない場合は動物病院で診てもらいましょう。

2.洗浄する

グルーミング

単に肛門腺を絞るのとは違い、肛門腺の洗浄は自宅でできる処置ではなく必要な場合に動物病院でやってもらうことになります。

肛門腺の分泌液が詰まったり、細菌感染や炎症がある場合に行います。細いカテーテルを分泌液の出口から入れ生理食塩水などを使って洗浄します。麻酔や鎮静下で行う処置になります。

分泌液が詰まっているのに放置してしまうと、肛門嚢破裂や肛門嚢炎を起こしてしまうことにもなりかねません。こういった場合には、投薬治療や手術も必要になることがあります。何度も繰り返すケースでは肛門腺(嚢)を切除してしまう手術を勧められることもあるでしょう。

愛猫がお尻を気にして頻繁に舐めていたりお尻で歩くような仕草を見せる場合には、単に肛門腺の分泌液が溜まっているだけではなく、このような治療が必要になっている可能性もありますので、動物病院で診てもらいましょう。

肛門腺のお手入れは必要?

子猫の診察

先述した通り、肛門腺の分泌液は一般的には排便の際に一緒に排出されますので、特に何かしなければいけないということはありません。興奮した時やびっくりした時などに出されることもあります。

ですが、愛猫が頻繁にお尻を気にする仕草や行動を繰り返す場合にはお尻周りのトラブルが考えられ、肛門腺のトラブルはその一つです。思い当たることがあれば、一度動物病院で診て貰ったほうが良いでしょう。

ただし、お尻を引きずって歩くのが「ただの癖」である場合もあります。

稀なケースかもしれませんが、筆者宅の愛猫の1匹がよくお尻で歩いているのを見たので受診したところ、肛門腺に異常はなく「ただの癖」と言われました。ただ、癖でお尻で歩いているだけの場合でも、あまりにお尻がこすれてしまうことはないかなどに注意したほうが良いと思います。

分泌液が溜まってしまうので定期的に絞る必要がある猫の場合、肛門腺の分泌液の質によっては家庭でも絞ることができます。その場合、最初は獣医師から絞り方の指導を受けると良いでしょう。しかし、最初は上手く行かないこともありますし、愛猫が嫌がったり暴れたりするようであれば動物病院で絞ってもらったほうが良いかもしれませんね。

まとめ

子猫のお尻

「肛門腺を絞る」という話はよく聞きますが、便と一緒に排出されるだけで十分なことが多いため、どの猫にも必ず必要なケアだというわけではありません。

しかし肛門腺を定期的に絞る必要がある猫も、一定数存在します。頻繁にお尻を気にしたり臭うようであれば、一度動物病院で相談してみるのも良いと思いますよ。

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