1.猫を癒やしの対象にする
猫に惹かれる理由は、あのモフモフ感や柔らかい手触りが理由の1つかもしれません。しかし猫を人に置き換えてみた場合「あの人といると癒される」という感覚と「癒されるためにあの人といる」という考え方は、全く違うと思うのです。
もちろん延々愚痴を聞いてくれる猫や、好きなだけモフモフさせてくれる猫もいます。しかし「キミは癒し担当だ」と決めつけて、嫌いな抱っこを強要したり睡眠を邪魔したりするのは、迷惑以外の何ものでもないでしょう。
2.猫をおもちゃと見なす
ここ数年コロナで時間ができたからと猫や犬を飼い、その後飼育放棄する現象が多発しました。家で時間を持て余した上に、テレビやネットで可愛い姿を見ていれば、飼ってみたくなるのは自然な心の動きかもしれません。
しかし血統書付きの猫でもウンチやオシッコをしますし、病気にかかる確率も決して低くはありません。それは猫が生きた動物だからであり、動くぬいぐるみではないからです。
もちろんその方たちも、ぬいぐるみを買ったつもりはなかったはずです。しかし「生きた動物を飼育する」という覚悟と知識と想像力が、あまりにも乏し過ぎたといえるのではないでしょうか。
3.猫を「独立した別の生き物」として理解しようとしない
猫の生態を理解しない人は、たとえば猫が留守番でマーキングをするとそれを「仕返しだ」と思いがちです。しかしそういう見立ては、飼育の本質からはズレています。
「猫は人とは別の生き物で、そうすべき理由があったのだ」という、動物園の飼育員さん的な視線が飼い主さんにも必要なのです。
そうでなければ猫の訴えが、いつまで経っても飼い主さんに伝わらないだけではありません。上記の例では猫は「悪い子」「ダメな子」というレッテルを貼られてしまい、ずっと理解されずに誤解され、間違った扱いをされ続けてしまうからです。
4.猫がむやみに増えていく
猫は縄張り(=家)を共有することはできても、パーソナルスペースが狭くなるのは嫌います。また猫が次々やって来て家族が増え続ける環境では、ストレスから猫が脱走したり体調を壊したりすることが少なくありません。
さらに猫の数が多いと、飼い主がそれぞれの猫に十分な愛情を注ぐことができず、何より猫が心ゆくまで飼い主さんに甘えることができません。
もちろん何匹が猫の飼育数の限界なのかは、各家庭の条件によって違います。しかしすでに大家族で新しい猫を迎える局面に立ったときには、少なくとも1度は里子に出すことを検討すべきではないでしょうか。
まとめ
人間と猫は、互いに迷惑をかけたりかけられたりして暮らしています。つまりここに挙げた4つの「迷惑」は、実は行き過ぎたときのケースなのです。
ただし行き過ぎているかどうかは、本人にはなかなか自覚できません。時折自らを振り返って自分本位になっていないかよく考え、その都度軌道修正するべきなのかもしれませんね。