猫から『悪臭』がする原因4つ 臭う場所別対処法と予防法

猫から『悪臭』がする原因4つ 臭う場所別対処法と予防法

猫はもともと、ほとんど臭いがしません。それなのに猫が臭いと感じたら、何かトラブルを抱えているのかも。その原因は何でしょうか?どうしたら臭いを消すことができるでしょうか?猫から漂う悪臭の対処法と予防法をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.トイレが汚れている

片付けられるトイレと猫

猫を飼っている家が何だか臭う、と感じる場合は、猫の体の臭いではなく、ほとんどが猫のトイレが汚れているからです。トイレが汚れていると、その臭いや排泄物が猫の体にも付着しやすくなります。そのため、猫が臭いと感じるのです。

排泄物はその都度取り除いていたとしても、砂やトイレ本体が汚れていると臭う原因になります。トイレの砂は定期的に全部を新しいものと入れ替え、トイレ本体も月に1度程度を目安に丸洗いしましょう。

2.肛門腺の分泌液

横になる猫の後ろ姿

猫のお尻が臭い場合、またどこからともなく排泄物とも違う強烈な臭いがする場合は、肛門腺の分泌液が関係している可能性があります。肛門腺は肛門の左右にあり、強い臭いのする「肛門腺液」を分泌します。この分泌液は「肛門嚢」という袋状の器官に溜まります。

肛門腺の分泌液は、通常は排便時に少量ずつ排泄されます。強烈な臭いを放つものなので、排便時にお尻に付着してしまって臭うこともあるのです。排便時以外にも、興奮した時やびっくりした時などに少量の分泌液を出す子もいます。

ただし、排便時でもそれ以外の時に出した場合でも、正常であれば臭うのは一時的です。異様にしょっちゅう臭う場合や臭いがずっと続く場合は、分泌液が詰まったり肛門嚢が炎症や化膿を起こしている可能性があります。このようなときは、早めに動物病院を受診しましょう。

肛門嚢にトラブルがある場合、お尻を気にする素振りを見せることもあります。排便時に排泄されるだけでは足りない子や詰まりやすい子では、定期的に肛門腺絞りをしてあげるといいのですが、猫の性格によっては自宅で行うのは難しいことがあるでしょう。そんな場合は無理をせず、獣医師など専門家にお任せしましょう。

3.口の中のトラブル

歯ブラシをくわえている猫

猫の口臭がきついと感じた場合は、歯周病や口内炎を起こしているかも知れません。猫は虫歯にならないといわれますが、歯垢、ひいては歯石はつきやすく、口腔内トラブルは起こしやすいのです。歯周病を起こしていたら動物病院で治療が必要です。

予防するためには、歯磨きなどのケアをしてあげる必要があります。歯ブラシを使って歯を磨いてあげるのが理想ですが、歯磨きが苦手な猫は多いです。歯磨きシートを使用したり、それでも嫌がるなら、歯磨き効果のあるおやつを食べさせるなど、無理なくケアをしてあげて下さいね。

口内炎は猫でよく見られます。ウイルス感染症や腎臓病など、原因は色々ありますが、重症になるとご飯が食べられなくなったり臭ったりするようになります。治療には、口内炎の原因となっている病気が何かを知る必要があります。口内炎がひどい場合には、柔らかくて食べやすい食欲をそそるご飯を用意してあげましょう。

4.耳のトラブル

猫の耳を拭く女性

猫の耳から悪臭がする場合は、耳のトラブルを抱えている可能性があります。猫の耳が汚れていて臭う、ということは正常ではまずありません猫の耳が臭う時は、外耳炎や耳ダニの感染など、何かしらの異常があると考えられます。動物病院ですぐに診てもらって下さいね。

まとめ

猫を抱いて鼻をつまむ女性

猫は健康なら、ほとんど臭いがしません。群れを作らず単独で生きてきた猫が敵や獲物から身を隠すのに、臭いがあっては不都合だからと考えられています。猫はグルーミングを頻繁にしたり、日光浴をすることで、極力自分の臭いを消しています。

猫が臭うと感じるときは、どこかに異常があることが多いでしょう。その場合は、どこから悪臭がするのかをつきとめて治療する必要があります。また、何かしらの病気が原因で元気がなく、十分にグルーミングができないせいで体全体が臭うようになることもあります。猫が臭う時は、動物病院で相談してみて下さいね。

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