障害のある愛猫との出会い
初めて愛猫にあったのは病院のケージの中でした。
愛猫は、約10年前に車のボンネットに挟まり、頭を損傷し耳が裂ける大ケガをし、一命をとりとめたものの、当時の家族に捨てられ、病院に置き去りにされたそうです。
それから約10年。ケガの後遺症でくるくる回ったり、表情がないため里親さんも現れることなく、狭いケージの中だけが愛猫の小さな小さな世界でした。
後遺症のため扱いが難しく病院内でもなかなか普通の猫ちゃんとして扱うことが出来ず、あまり構われずそっとされていました。私は幸運にも夢だった動物関連のお仕事につくことができたので、私はスタッフとしてはじめは愛猫と出会いました。
愛猫を引き取るまで
最初はもちろん「かわいそう」だと思いました。狭いくらいケージで特に何かを要求するわけでもなく、自分の人生を諦めているその目に同情を覚えたのは確かです。
それから時間があれば声をかけたり、ブラッシングしたり...。少しずつ距離が縮まったような気がしました。意外とブラッシングが好きだったり、撫でられるのが好きだったり。
甘えん坊な性格
実はとても甘えん坊だということに気づきました。「かわいそう」が「かわいい」に変わりました。私の家にはもうすでに先住の猫ちゃんがいたので、その子との相性がどうかという点と家族への説得が大変でした。
私は動物関連のお仕事をしているため、病気の子や五体不満足の子が別に幸せになれないということはまったくなく、それら身体的な障害がその子の幸せの障害になることはまったくないことを十分なほど知っていたため全く抵抗はなかったのです。
家族の理解
しかし私はずっとおうちにいるわけではありません。お世話は家族がしなければならなかったので、そこを理解してもらうのに時間がかかりました。結局母親は折れて受け入れる決断をしてくれましたが、実は母親以外は反対したままの状態でおうちに無理やり連れてきたのです。
先住猫ちゃんは私たち家族にとってはとても大切な存在だったので、その子の気持ちをもちろん考えたのですが私はその愛猫がとても優しいのを知っていたので連れてこないことにはわからないな、と腹をくくって連れてきました。
障害のある愛猫の現在は…
来た当初は先住猫ちゃんは怒るは、愛猫ちゃんのお世話に戸惑うわ、もうてんやわんやでした。でも先住の猫ちゃんは愛猫ちゃんを受け入れ、愛猫ちゃんは徐々に人と生活に慣れていきました。
もう推定15歳になる愛猫ちゃんは失った10年間を取り戻すように、病院ではみえなかったぐらい生き生きとしています。
飛んだり跳ねたり、人に甘えたり...。
猫ちゃんらしい生活をできています。
もちろん大変なこともたくさんあります。1週間のうちに何度も吐きますし、くるくる回ったり、実は後遺症で発作も一度起きました。でも、名前をよぶと年齢には似合わない俊敏さで一生懸命走ってきます。
その姿をみると家族に迎えてよかったなと心から思えて、思わずニヤっと笑ってしまいます。
まとめ
障害がある子を家族に迎えるのは覚悟と勇気がいることは間違いありません。大変なのも間違いありません。そして同情でできることではありません。その子の病気や障害に向き合わなければいけません。
でもそれでも、猫ちゃんが私たちにくれる幸せはどんな子でも変わりありません。少しでも保護猫さんを迎えようかな、障害のある子を迎えようかなと考えてる皆様の参考になればと思います。
そしてそんな子たちが素敵なご家族に出会えますように。